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テレビがこれまでの生活習慣を変えた

今の親が生まれ育ったのは、昭和40年代のはじめから55年前後の15年間ほどです。それ以前に子ども時代を過ごした親たちと決定的に違うことがあります。それは、生まれたときから家にテレビがあり、そのテレビも草創期を終え、白黒からカラーになって視聴率競争が激化、そのあおりから子ども向け番組も、一部良質な番組はあるものの粗製乱造され、朝の時間帯から夕方の2〜3時間は、子どもたちがテレビにかじりつくという習慣が身についてしまいました。
これまでは、園や学校が終わった後は、友だちと外で遊びまわり、さまざまな体験をすることによって、子ども社会のルールを身につけていた時間が急速に失われていきました。

日本中のほとんどの家庭が一度にそうなっていったのですから、私たちの生活そのものをまったく変えてしまった大事件といっても言い過ぎではありません。テレビというのは、映像そのものを相手におかまいなく次々に見せていきます。そのため、イメージをふくらませる、想像する、じっくり考えてみるという余地を視聴者にまったく与えてくれません。
テレビアニメの多くは、勧善懲悪の見本みたいなもので、ヒーロー、ヒロインが悪者どもをやっつけるストーリーです。ハラハラドキドキしながらも、最後には悪者を必ずやっつけて終わることになっています。(以下次回)

投稿日:2006年12月07日(木) 09:19

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)