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三銃士

1987年に刊行した英国レディバード社とのタイアップ企画第3弾、「レディバードブックス特選100点セット」のうち、主な作品の内容を紹介してみよう。今回は、フランスのアレクサンドル・デュマ(1802−1870)の代表作「三銃士」。1845年に発表され、大ベストセラーとなり、その後世界の子どもたちに大人気となった歴史小説。ここに登場する国王ルイ13世、国王に張り合う枢機卿リシュリュー、王妃アンヌをはじめ、主人公ダルタニアンも実在人物だった。

●「三銃士」あらすじ

三銃士11625年4月、やせ馬にまたがった無鉄砲な若者ダルタニアンは、国王の近衛銃士トレビルへの紹介状をもって、パリへ向かった。ところが、三銃士アトス、アラミス、ポルトスと1時間おきに決闘するはめになった。まさに、決闘しようとするとき、国王と対立する枢機卿の護衛士たちにとがめられて果し合いになり、ダルタニアンは三銃士の味方になって戦い、敵の隊長をうちとってしまう。これをきっかけに、ダルタニアンは国王にも認められ、三銃士とかたい友情で結ばれる。

三銃士2国王派と枢機卿派と2派に分かれたフランス宮廷は、おたがいにさまざまな陰謀をめぐらせていた。枢機卿は王妃アンヌに思いをかける一方、王妃の心は国王から離れ、イギリスのバッキンガム公を愛していた。ある日国王は枢機卿の入れ知恵で、舞踏会を開くことにし、国王は王妃に、以前プレゼントした12個のダイヤモンドのついた飾りボタンをつけてくるように命じた。ところが、その飾りボタンを王妃はバッキンガム公にやってしまっていた。公へあげたことを知った枢機卿のたくらみだった。

三銃士3飾りボタンをバッキンガム公から返してもらってほしいという王妃の密命を受け、ダルタニアンは三銃士とともにロンドンへ向かう。しかし道中あちこちで、4人の命をねらう待ち伏せにあう。苦難の末、ダルタニアンはバッキンガム公にあい、王妃の危機を告げる。飾りボタンを調べたところ、12個あるうち2個が奪われていた。枢機卿の命をうけたミレディという女の仕業だった。舞踏会まであと5日、公は宝石職人に元のものと区別がつかないボタンをこしらえ、ダルタニアンは急いでパリへ。

三銃士4「王妃よ、なぜダイヤの飾りボタンをしてこないのかね」と王が尋ねると、王妃は「この人ごみで傷ついてはと思ったからですわ。今から取りにいかせます」。ミレディから奪った2個のダイヤを手に入れていた枢機卿は、「この2つのダイヤの出所を王妃にお尋ねになってください」と勝ち誇った様子だった。しかし、王妃は誇らしげに飾りボタンを身につけて登場。ダルタニアンは、王妃が枢機卿をやりこめたことに大満足だった。国王、近衛銃士トレビルに認められ、三銃士と親しく交わり、いつか彼らと同じ銃士となることだろう。

投稿日:2006年01月25日(水) 09:13

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)