1987年に刊行した英国レディバード社とのタイアップ企画第3弾、「レディバードブックス特選100点セット」のうち、主な作品の内容を紹介する。今回は、「クリスマスキャロル」と同じ著者イギリスの作家チャールズ・ディッケンズ(1812−1870)の「オリバーツイスト」。
●「オリバーツイスト」のあらすじ
貧民院で育てられたみなし子で9歳のオリバーは、7日間も飲まず食わずロンドンへむかう途中、ドジャーという少年にあう。スリや泥棒の親方のファギンの手下だった。オリバーはドジャーたちがスリをしても遊びをやっているものと思っていた。
ある日、ドジャーたちと町へ出たとき、ドジャーが老紳士ブラウンロー氏のハンカチをスリとるのに驚いているうち、オリバーだけがつかまってしまった。しかし、無実であることがわかり、氏はオリバーを家につれ帰ってくれた。ブラウンロー氏の家の壁には、オリバーとよく似た女性の肖像画が掲げられていた。
氏の家での幸福な暮らしは長くつづかず、まもなくファギン一味の少女ナンシーに誘拐され、ファギンのところに連れてこられた。しかし、なかなかオリバーの正直な心を変えられない。ある晩、オリバーは強盗のサイクスに連れられ、メイリー夫人の屋敷への押し入る手伝いをさせられた。逃げる途中、夫人の姪ローズに救われ、再び幸せな暮らしがおくれるようになった。
オリバーに心を寄せはじめたナンシーは、オリバーがファギンや謎の男モンクスにねらわれていることを知り、その危急をローズに知らせにきた。ナンシーの裏切りを知ったサイクスはナンシーを撃ち殺し、警官に追いつめられたサイクスは事故死した。ファギンはつかまって絞首刑となった。
ブラウンロー氏につかまったモンクスは、氏がさがしていた親友の息子だった。そして、モンクスの白状により、オリバーが彼の母違いの弟であること、父親の財産がオリバーにわたらないようにファギンに金を渡して泥棒の仲間にさせようとしたこと、ローズがオリバーの母の妹だったこと、ブラウンロー氏がオリバーの母の婚約者だったことなども明らかになった。そして、ブラウンロー氏はオリバーを養子にしたのだった。