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クリスマスキャロル

1987年に刊行した英国レディバード社とのタイアップ企画第3弾、「レディバードブックス特選100点セット」のうち、これまで5点ほどの内容を掲げてみたが、もっと見てみたいという要望に応え、さらに何点かを紹介してみよう。今回は、イギリスの作家チャールズ・ディッケンズ(1812−1870)の「クリスマスキャロル」。「クリスマス・ブック」という作品集の第1作目として発表されて以来、感動的な物語の人気は衰えない。

●「クリスマスキャロル」のあらすじ

クリスマスキャロル1スクルージは、ロンドン一のけちんぼうで、氷のように心の冷たい老人だった。クリスマスの前日、甥のフレッドにクリスマスパーティに誘われても断り、慈善の寄付を集めに来た人も冷たく追いやり、安月給でこき使っているボブには「あしたお前は休むのか、休みの分もおれは給料を払わなければならないのか」といやみをいう。

キャロル2その晩、7年前に死んだ共同経営者だったマーレイが、重い鎖をひきずってスクルージの夢に現れてこういう。「わしは生きているとき、慈愛を忘れた報いでこんなに苦しんでいる。おまえがわしのような目にあわないように3人の精霊をよこす」こういいながら、立ち去っていった。

キャロル3まず現れたのは、顔は子どものようにすべすべしているが、髪は老人のように真っ白な過去のクリスマスの精霊だった。スクルージの子ども時代のあわれな寄宿舎生活、仲の良かった亡き妹(フレッドの母)、商店に勤めていた頃の楽しいクリスマスなどを次々と見せてくれた。

キャロル4次に現れたのは、現在のクリスマスの精霊で、スクルージを外へ連れ出した。事務員のボブの家では、貧しいけれど一家そろって、楽しいクリスマスを祝っていた。甥のフレッドの家では、ゲーム遊びに興じていた。あんまり楽しいのでスクルージも参加したいほどだった。

キャロル5さいごは、未来のクリスマスの精霊。黒い衣を身につけ黙ってスクルージを町に連れ出す。人々はみんな、ある男が死んだことを話しあい喜んでいた。スラム街のくず屋は、死んだ男からはぎとってきた物を売りに来た男女へ「あのじいさん、意地悪の業つくばりでなきゃ、誰か看取ってくれるやつがいただろうに」といいながら、数枚のコインと取り替えられた。いっぽうボブの家では、死んだティム坊やがみんなに悲しまれ惜しまれていた。それから精霊は、スクルージを墓地に連れて行き、墓石のスクルージの名を見せた。

キャロル6クリスマスの朝、悪夢から目覚めたスクルージは、ボブにティム坊やの2倍もある七面鳥を届けさせ、慈善の寄付を集めていた紳士には大金を渡し、教会でお祈りしたあと甥のフレッドの家をたずねて、みんなでパーティを楽しんだ。そして、翌朝遅刻してきたボブをしかるどころか、給料を上げてやる約束をした。こうしてスクルージは、ロンドンで一番いい人になったのだ。(ボブのティム坊やも死ななかった)

投稿日:2006年02月01日(水) 09:33

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)