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ビデオ絵本

今や世界的な電機メーカーとなった「ソニー」が、1976年に家庭用ビデオテレビを発売した。定価228,000円は、決して安い価格ではなかったが、100万円以上もした業務用に比べると格段に安くなったことから、マスコミでの報道や、莫大な広告費を投入してのPRも過熱していた。そのソニーが、当社の「ポケット絵本」をビデオソフトにしたいと、ソニー傘下のプロダクションを通じて要請してきたのである。絵本の原画を貸し出すだけで、すべてプロダクションの負担で制作するという。うまくいけば当社の宣伝になるかもしれないと直感し、この話に乗ってみることにした。

「ポケット絵本」40巻のうち、ビデオ絵本に制作しやすい10巻が選定され、プロのナレーターの朗読にあわせ、原画の絵をアップにしたりロングにしたり、動かしたりと、いろいろ変化をつけながらうまく作品に仕上げてくれた。全5巻、1巻に2作品、視聴時間各30分として完成したが、販売するとなると1巻の定価が15,000円になる。とても個人が購入できる価格ではなく、幼稚園などに働きかけ、「100名以上の予約がとれたら寄贈します」といったキャンペーンを打ち出したが、ほとんど計画倒れに終わってしまった。

しかし、無名の出版社の絵本シリーズが、ビデオ絵本になったということは結構大きなインパクトとなり、いずみ書房のフランチャイズ販売組織拡大の要因になったことは確かである。

投稿日:2005年08月18日(木) 09:43

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)