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「日本読書クラブ」の設立

1983年2月、新しい型の読書運動の組織「日本読書クラブ」を設立した。事務局を「いずみ書房」の社内に置き、理事長に「せかい伝記図書館」の執筆の中心となってくれた童話作家の有吉忠行氏にお願いした。氏は、全国学校図書館協議会の編集部長を歴任し、「ブッククラブセンター」という読書運動の世話人の一人として活動された方だったので、その役にはうってつけだったといえる。従来の読書運動というのは、主として読書好きの人を対象としていたが、「日本読書クラブ」は、これまであまり活字に親しむ習慣のない親子を掘り起こすことを主たる目的にした。そして、次のような「日本読書クラブ入会のすすめ」をこしらえた。

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● 読書クラブインストラクターが各家庭へおうかがいします。
本を読む人を、1人でも2人でもふやしていく。本を読みあうことを通して、親と子の心が通いあったあたたかい家庭を、1軒でも2軒でもふやしていく。読書により、ものごとを豊かに考える習慣を身につけた人びとの力を結集して、人間が人間らしく生きていくことができる社会を、すこしずつでもきずいていく。このような願いをもつ「日本読書クラブ」では、各地、各家庭へ、専門のインストラクターを派遣します。たんに、母親へ親子読書などをすすめるだけでなく、各家庭での読書相談にも応じながら、個人読書から集団読書へ、さらには地域ぐるみの読書運動へと、読書の輪をひろげていこうというものです。

● 子どもに読書の贈りものをしてみませんか。
それは「本を読む楽しさ」という贈りものです。いやでも受験戦争にまきこまれる、いまの日本の子どもたちは、あまりにもかわいそうです。心の花がしぼんでしまいます。せめて本の世界で、あたたかい夢、美しい夢をふくらませてやりましょう。人の悲しみがわかる、やさしい心を育ててやりましょう。そして、人間としてのほんとうの幸せをつかませてやりましょう。本は、無上の宝です。

● 親子読書で心の交流を深めてみませんか。
家庭で親子読書をすすめてみませんか。1冊の本と少しの時間があれば、すぐ今からでもできます。「この本、おもしろかったねわねぇ」、たったこの一言で、親と子の心の結びつきもふかまっていきます。

● 読書会で仲間の輪をひろげてみませんか。
本を読む人と手をつないでみませんか。読書の楽しみを知ったら、身近な人に「あなたも本を読んでみませんか」「いっしょに本を読んでみませんか」と、語りかければよいのです。いつのまにか、すばらしい仲間をもつことができます。集団思考によって読書を深めることができます。自分の考えを発表する習慣も、人の意見を尊重する習慣も生まれます。親子読書会、子ども読書会では、子どもにも、それを期待できます。

● 自作の童話や絵本を発表してみませんか。
読書会の喜びや、本に心をうたれた感激などを、人に伝えてみませんか。自分がつくった童話などを、発表してみませんか。1人の感激、1人の発表が波となって、文化運動の輪がひろがっていきます。また、書くことをとおして自分の思考も深まり、発表によって自分への自信も生まれます。

● 地域の文化運動に参加してみませんか。
各地での講演会、読書クラブ大会、著者を囲む会、合同読書会の開催、関係施設への図書寄贈運動の推進などに、少しでも力を貸してみませんか。文化運動への参加によって、自分をみがいていくことができます。生活の幅をひろげることができます。社会への貢献によって、親を見る子どもの目を変えさせることができます。

投稿日:2006年03月01日(水) 09:37

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)