1983年の2月に設立した「日本読書クラブ」は、いずみ書房の営業スタッフが中心となって、普及活動を開始した。これまで、いずみ書房のオリジナル商品だけを販売していた人たちにとっては、これまで販売したことのないたくさんの図書を取り扱うことになった。日本を代表するような出版社から刊行されている百科事典や文学全集、図鑑、美術全集など、どういう特徴のある内容なのか、どのような利用の仕方をすればよいのか、専門的な知識をもった上で勧めていく必要がある。前回、「日本読書クラブ」入会者へ全員に「日本読書クラブカタログ(本の価値と楽しみ)」をさしあげることを記したが、この小冊子は、会員のためであると同時に、普及する営業マンへの研修テキストでもあった。
@百科事典 A学習事典 B歴史 C美術 D音楽 E児童文学 F図鑑 G伝記 H文化地理 I文学 J家庭百科 K辞書 以上12項目からなっており、次回よりこの内容を順に紹介してみよう。
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「はじめに」読書運動はあなたの力で育ちます
いまの日本では、毎年、平均3万点もの新刊書が出版され、わたしたちは、おびただしい本に恵まれています。しかし、出版量の増とは逆に、国民全体の中の読書人口も読書の量も、このところ年を追って少なくなってきています。
そこで、この「日本読書クラブカタログ(本の価値と楽しみ)」では、わたしたちの教養や生活ともっともかかわりの深い12分野の本(とくに全集・シリーズもの)について、それは、「読者に何を伝え、何を楽しませ、何を教えてくれるか」、それらを読むことは「なぜ、たいせつか」、家庭で購入図書を選ぶとき、あるいは、家族で利用するときは「どのようなしせいが望ましいか」などについて、考えてみました。良書の普及によって、各家庭の文化環境がととのい、ものごとを心豊かに見つめ、心豊かに考える人がふえ、そして、日本読書クラブの読書運動が一歩でも二歩でも前進することを、希求するからです。
本を読む人が一人でも多く、本に親しむ家庭が一軒でも多くなることを願う日本読書クラブの読書運動は、読書クラブを通じて購入される図書の収益金によって推進されることをご理解のうえ、この文化運動にご協力くださいますよう、お願いいたします。