児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  会社の歴史 >  童謡「しゃぼんだま」の真実

童謡「しゃぼんだま」の真実

拠点長会の席上で語った内容の第4回目。

みんなのおんがくかい」 が、他の「いずみ文庫」(ポケット絵本シリーズ)とは異質のシリーズではないということを申し上げたいと思います。むしろ、「みんなのおんがくかい」 を基本に「童話」「科学」「ワールド」「伝記」すべてに結びつけ、組み合わせることのできる教材だということです。その理由は、あとでお話します。

「みんなのおんがくかい」 の最大の特長は、歌の心をわが子に語って聞かせるためのアドバイスや解説がついているといってよいでしょう。こうした試みはこれまで、どこの出版社もやっていません。なぜ、こんな労の多いことをしたのかを、ちょっとふれたいと思います。

私がまだ小学生だったころのこと、音楽の先生が野口雨情のことを話してくれました。野口雨情というひとは、大正7年ごろからおこった新しい子どもの歌運動の中心になって、数々の名曲を作詞されたかたですね。「おれは河原の枯れすすき〜」という「船頭小唄」を作った人です。「みんなのおんがくかい」にも、「あめふりおつきさん」「こがねむし」「あおいめのにんぎよう」「しゃぼんだま」「あのまちこのまち」「しょうじょうじのたぬきばやし」「七つのこ」「うさぎのダンス」「たわらはごろごろ」「あかいくつ」全部で10曲収録しています。

今でもはっきりおぼえているのですが、「しゃぼんだま」 という歌は、雨情の幼くして死んだわが子への鎮魂歌として作られたものだと、先生はしみじみ語ってくれました。2番の歌詞に 「しゃぼんだまきえた/とばずにきえた/うまれてすぐに/こわれてきえた」 とありますが、生まれたばかりのわが子が、飛ばずに消えた「しゃぼんだま」のようにはかない人生だった。その悲しみをこの歌に託したと聞いて以来、この歌を耳にしたり歌ったりするたびに、目頭があつくなります。このように、雨情の童謡には、一貫して曲全体にやさしさと、愛の心が流れているといってよいかと思います。

しゃぼんだま

投稿日:2005年11月24日(木) 09:38

 <  前の記事 子育てと絵本の役割  |  トップページ  |  次の記事 「証誠寺のたぬきばやし」伝説  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/711

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)