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重要さを増す母親の役割

拠点長会の席上で語った内容の第2回目。

これまでのオリジナルラインナップ「いずみ文庫」4シリーズは、どちらかといえば本格的に活用するためには、生後2〜3歳になるまで待たねばならなかったのに対し、「みんなのおんがくかい」は、 子どもの誕生と同時に活用できる商品であるという点を強調したいと思います。

昔から、胎教ということがいわれてきました。妊婦が精神的な安定や修養につとめ、お腹にいる胎児によい影響を与えることの大切さを説いたのでしょう。それが、最新の研究によると、胎児の聴覚は、妊娠4〜5ヶ月から発達しはじめ、お母さんの声をはじめとする外界の音が聞こえるそうです。そして、童謡やクラシック音楽などを聞くことにより、アルファ波という脳波が流れて、胎児にも妊婦にも心地よい精神状態に保たせてくれるわけです。逆に、騒音に満ちた人工的な環境にいるとベーター波という脳波がでます。この波はイライラしているときに出るようで、気分のよいものではありません。雑音と喧騒に満ちた日常生活に、心あたたまる音楽を聞き、お腹の赤ちゃんに語りかけるのは、必ずよい胎教になるはずです。

戦後の核家族化という社会現象によって、お母さんは、以前のようにおじいちゃんやおばあちゃんと相談しながら子どもを育てるというわけにはいかなくなりました。おまけに、通勤に往復2、3時間もかかる現状では、もうひとりの生みの親であるお父さんの協力もあまり期待できません。いわば、幼児にかかわるほとんど一切のことを自分ひとりで考え、判断し、おこなわなければならないのですから、お母さんにのしかかる重圧は並大抵のものではありません。

お母さんは、わが子の食事、睡眠、排便といった生活習慣はもとより、対話、遊び、運動、しつけなど、幼児の生活のすべてを引き受けているわけで、食事のさせかたを誤れば食中毒や栄養失調にもなりかねません。さらに、睡眠のさせかたを誤れば情緒不安定な子どもにもなりかねません。適切な指導をしなければ子どもは排便を自力で行うことはできません。子どもとどう対話するか、どのようにしつけるか、そのやりかたの適不適によって、子どもの能力や人格は、天と地ほどもかけはなれたものになることは疑いのない事実です。これらの教育の成果がすべて、お母さん次第だという現実は、普通のお母さんにとって、あまりにも厳しいものだといえましょう。

投稿日:2005年11月21日(月) 10:10

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)