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J・チェーンはマルチ商法?

J・チェーンの子会社J総業との売買契約が成立したことで、じっくり絵本の制作に打ち込める時間ができた。数ヶ月をかけてほぼ全巻刊行の見通しも立ち、最後の追い込みにかかっている頃だった。友人の新聞記者から、J・チェーンにちょっと変なうわさが入っているけど知っているかという電話が入った。当社がJ・チェーンを最大の販売先にしていることを覚えてくれていたためだった。知らないと答えると、J・チェーンをはじめAPOジャパン社、ホリデイマジック社などが「マルチ商法」の疑いがあるということで、当局の内部調査がはじめられているという。

マルチ商法というのは、アメリカ発のネズミ講だといわれる。ネズミ講というのは、子を二人以上、おのおのの子がさらにその子(孫)を二人以上、さらにおのおのの孫が・・・というように、ネズミ算式に加入者を増やしていくことにより、出資金以上の金銭が得られるシステムのことで、上位者は巨万の富を得ることができる。すべての加入者がそんな利益を受けるには、加入者が無限に増加していかなくてはならない。しかし、こんなことはありえるはずがなく、必ず破綻し、終局的に多数の被害者が生じることになる。いわば詐欺に近いシステムである。これに対して「マルチ商法」は、商品の販売、流通を担当するのを建前にして、多くはネズミ講同様に金銭収受のみに主眼がおかれたもので、アメリカを中心に発達し、それが1970年代初期から日本にも上陸してきたということは新聞報道などで知っていた。

「J・チェーンは、当社の絵本シリーズをはじめ、浄水器やマッサージ器など健康関連商品、電話関連商品を中心に取扱商品を30点近く持ってる上、販売もしっかりやっているはず。現に、当社の絵本セットは毎月2万〜4万セットを納品していて、全10集のうち第7集まで済んだ。おまけに、第1集は5000セットの再版分を4回も受注している。売れていなかったら、リピートオーダーをもらえるはずはないもの。販売は建前だけで金銭授受のみを主目的とするといういわゆる[マルチ商法]とは、仕組みが違うはずだけど・・・」と、私。

「もちろん、加盟店の多くはしっかり販売していると思うよ。J社は加盟金に応じて、上位から発売元、地域センター、特約店といったピラミッド組織を作っている。この手法が連鎖的に巨大な組織をつくっていることは間違いない事実だ。お金で上位組織を買った者の中には、お金の入る仕組みだけを利用しているのがいる。逆に、なけなしの金をはたいて加盟店になって商品を入手したが、まったく商品が売れずに在庫ばかりかかえて、J・チェーンとはいわないが、それこそ一家離散、自殺に追い込まれた人も出てきた。そこが問題視されているところなんだ」

投稿日:2005年06月21日(火) 10:57

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)