45年以上前、高校時代の「世界史」の授業で教わった、英語の月の名前のエピソードをなぜか急に思い出しました。
英語で、7月〜11月は順にJuly, August, September, October, November です。
でも、Septemberは本来、seventh で7番目、October はoctopus (8本足の)「たこ」のように8の意味、Novemberはninthで9番目を意味する言葉でした。
ところが、ローマ時代に活躍したユリウス・シーザーとアウグスッスが自分たちの名前であるJulyとAugustを入れてしまったために、2か月ずつずれてしまったという話。
こんなことが本当にあったのかと思って調べてみましたら、たしかにそれに近いものがあります。
紀元前45年、ユリウス(Julius)・シーザーによって太陽暦であるユリウス暦が使われはじめました。月の名前に自分の名を入れようと、7月を、ユリウス・カエサルにちなんで、Julius としました。ユリウス暦は、閏年は4年に一度と決められていましたが、シーザーの死後、誤って3年に一度ずつ閏日が挿入されてしまいました。この誤りを修正するため、シーザーの養子のオクタビィアヌスが、後にローマ帝国初代皇帝になって、アウグストゥス(尊厳者)と呼ばれるようになったころ、4年ごとに閏日が挿入されるようになりました。同時に8月の名称を自分の名称 Augustus に変更したということです。ラテン語で7月Julius 8月Augustus が派生して、英語の July, August となったそうですから、高校時代に教わった話は間違いでなかったことがわかりました。
ユリウス・シーザー、アウグストゥス以後も、多くのローマ皇帝が、月に自分の名をつけたようです。暴君といわれたネロは4月をネロニウスに、第3代皇帝カリグラは9月を、第4代皇帝クラウディウスは3月、第11代皇帝ドミティアヌスは10月を自分の名をつけましたが、それぞれの皇帝の死とともに以前の名に戻され、長続きしなかったそうです。