児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  レディバード図書館 >  やさしい昔ばなし 4

やさしい昔ばなし 4

前回に続き、「レディバード図書館」シリーズのおもな絵本には、どのようなねらいがあり、どう利用してほしいか、監修者ウィングフィールド夫妻のコメントを紹介してみよう

(24) めんどりと むぎ

めんどりとむぎ1この話もイギリスの昔ばなしです。「働かざるもの食うべからず」ということわざがありますが、このテーマを幼児にもわかりやすく描いた物語です。このような教訓的なテーマは、とかく堅苦しい話になりがちですが、幼児に身近な動物と日常生活の実感を通して展開されているので、説得力があります。

めんどりとむぎ3めんどりが、麦の落ち穂を拾います。友達のねこと、ねずみと、ぶたに、いっしょに種まきをしようとよびかけますが、だれも手伝おうとはしません。しかたなく、めんどりだけで、種まきをします。やがて収穫の時期がやってきて、こんどは、麦刈りをしようとよびかけますが、なまけ者の3びきは、また拒否します。同じように粉ひきも、パンを焼いてもらいに行くことも拒否します。ところが、焼きたてのパンの香ばしいにおいをかいだ3びきは、めんどりに「パンをたべるのを手伝いたいか」といわれると、口々に手伝いを申し出ます。

めんどりとむぎ2しかし、めんどりは、きっぱりとことわって、みんなの前で食べてしまいます。めんどりは、いじわるなのではなく、なまけ者の3びきを戒めていることを子どもたちに理解させ、ひとつのことをなしとげるにはお互いに助け合ってはじめて、喜びをわかちあえるということを知らせてあげましょう。

投稿日:2006年01月11日(水) 09:40

 <  前の記事 やさしい昔ばなし 3  |  トップページ  |  次の記事 やさしい昔ばなし 5  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/683

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)