前回に続き「レディバード図書館」シリーズのおもな絵本には、どのようなねらいがあり、どう利用してほしいか、監修者ウィングフィールド夫妻のコメントを紹介してみよう。 (16) どうぶつの おはなしをしよう これまでの巻は、どちらかというと、ある物の部分的なものが中心でした。この本の最初のページをみてもらえばおわかりのように、絵全体から部分の意味を知り、発展的内容を考えさせます。
たとえば、この絵の中には、大きな動物に小さな動物、泳げる鳥に泳げない鳥、親もいれば子もいます。親鳥が、巣の上であたりをうかがい、その下に巣があって、赤ちゃん鳥がお母さん鳥の気配を察して、口をあけて待っていることなどを指摘しながらお話をすることができます。このように、全体から部分をとらえる能力は、子どもの理解力を深め、言葉をますます豊富にさせる原動力になります。
このページにつづいて、「仲間を集めよう」とか、「黒いのはどれ?」 とか、形や色の視覚的相違を指摘すること、物ごとの関連を知ることは、後に読むことを学ぶときに、大きな助けになることでしょう。
この巻に限らず、以下の4巻にも「お話しよう」という場面が登場します。ごく幼い子どもには、各々の絵を指さしながら、ストーリーをお話してあげてください。やがて、時期がくれば、子どもは自分から物語を話したくなるに違いありません。その他、「長い犬」 のお話では、中、外、あいだ、うしろ、前といった位置関係を楽しく説明することができますし、単純な数や、1組の動物、1組の鳥といったような「組」の概念を知らせます。これは、将来の算数学習の基本的な部分です。
また、32ページの動物の好きな食べもののところで、亀は一般に雑食で何でも食べますが、幼時は肉食の傾向が強く、成長するにつれ草食の傾向が強くなります。間違いやすいところですので気をつけて教えてください。