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やさしい昔ばなし 1

前回に続き「レディバード図書館」シリーズのおもな絵本には、どのようなねらいがあり、どう利用してほしいか、監修者ウィングフィールド夫妻のコメントを紹介してみよう。

(21) ひよこの リキン

イギリスに伝わる昔話で、ナンセンスな笑いに富んだ典型的な繰り返し話です。おとなからみると、同じことの繰り返しはくどいように感じられますが、子どもは飽きるどころか、繰り返しが重なるたびに話の内容をしっかりつかみます。次にどうなるのだろう、やはりそうだったという、予想と確信が子どもをひきつけるためです。

ひよこのリキン1ひよこのリキンの頭にどんぐりが落ちてきて 「空が落ちてきた」 と錯覚することから端を発っし、ひよこから、めんどり、おんどり、めすがも、おすがも、がちょう、しちめんちょうに伝わって、最後にきつねの親子に食べられてしまうというこっけいなお話です。ちょっと考えてみれば、空が落ちてくるというようなおかしなことがあるはずがないのに、それを信じてしまう鳥たちの愚かさに、子どもは優越感を持つのでしょう。このお話が、イギリスの子どもたちに人気があるもうひとつの理由は、登場する鳥たちの名前のおもしろさです。

ひよこのリキン2ひよこのりキン・・・チッキン・リッキン
めんどりのペニー・・・ヘニー・ペニー
おんどりのロッキー・・・コッキー・ロッキー
めすがものラッキー・・・ダッキー・ラッキー
おすがものレイキー・・・ドレイキー・レイキー
がちょうのルーシー・・・グーシー・ルーシー
しちめんちょうのラーキー・・・ターキー・ラーキー
きつねのロキシー・・・フォキシー・ロキシー
子どもがこのお話になれたら、それぞれの名前を英語よみにするのも、おもしろいでしょう。

投稿日:2005年12月28日(水) 09:32

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)