前日に続き、「子どもワールド図書館」の刊行意図 (1980年当時) 3回目を採録してみよう。 ☆〜〜〜〜〜〜〜〜★〜☆〜★〜〜〜〜〜〜〜〜☆ 第二次世界大戦に敗れて打ちのめされた日本人には、進駐軍の何もかもが別世界のようでした。私自身も小中学生の頃、アメリカの兵隊たちが口にするチ...
昨日に続き、「子どもワールド図書館」の刊行意図(1980年当時)2回目を採録してみよう。 ☆〜〜〜〜〜〜〜〜★〜☆〜★〜〜〜〜〜〜〜〜☆ 私どもが編集面で心がけてきたもうひとつのポイントは、片寄りのない記述、そこに住む人たちの側に立った記述ということでした。 通信や交通手段等の発...
「いずみ書房」では、ポケット絵本シリーズの第2期「こども科学図書館」を刊行した1978年4月から「いずみ通信」という社内報を毎月発行し、主として全国の第一線で活躍する営業マンに会社の方針を伝えたり、相互のコミュニケーションをはかるなど、組織を維持するための努力をし続けてきた。「子...
いっぽう、子どもの本の世界一盛んな国である英国に目をやると、マクドナルド・エデュケーショナル社をはじめ、さまざまな出版社がこの種のシリーズを刊行している。ここでも、同じ島国でありながら世界を見据える視野の深さ、国際社会への理解の違いというものを強く感じたものだった。そんな英国でも...
1980年に出版した「子どもワールド図書館」の刊行の動機は、割と単純な発想からだった。わが子とテレビを見ながら考えたことなのだが、当時「世界名作劇場」という番組があり日曜日の夜7時30分から30分間、フジテレビで放送されていた。「アルプスの少女ハイジ」とか「母をたずねて三千里」、...
「子どもワールド図書館」(全38巻)は、どんな構成で、定価はいくらなのかという問い合わせをいただきましたので、お知らせいたします。 [全38巻のタイトル] (1)フランス(2)ドイツ(3)イタリア(4)スペイン・ポルトガル(5)イギリス(6)スイス・オーストリア(7)オランダ・ベ...
前日に続き、「イスラエル」の項の後半を紹介する。 戦争の原因はまた、エルサレムにもあります。エルサレムは聖都といわれ、ユダヤ教のイスラエルの人たちはもちろん、キリスト教やイスラム教の人びとから、あがめられているところです。 そこにある「なげきの壁」は、むかしローマに滅ぼされ、国...
前回に続き、「イスラエル」の項の後半を紹介する。 この当時は、どこの国も、少数の王や貴族の下にたくさんのまずしい人たちがいて、それが何代もくりかえされていました。貧しさにいためつけられている人びとは、キリストの教えをひたすら信じ祈りました。 やがてキリストは「ローマにそむいて新...
「子どもワールド図書館」(38巻)の中で、もっとも評価が高かった一つは、「西アジア」(1)(2)であった。特に、2巻目に17ページ分をさいて「イスラエル」を紹介した部分は、中学校の社会科の教師(東京・杉並 山本絵美先生)から、次のような賛辞の手紙をいただいたので記してみよう。 ...
「いずみ書房」が創業後に刊行した、ポケット絵本シリーズの第1期「せかい童話図書館」(40巻)、第2期「こども科学図書館」(40巻) につづく第3弾は、1980年4月に完成した第3期「子どもワールド図書館」(38巻)だった。子ども向けの文化地理の絵本シリーズとしては類のない企画で...
「童話」と「科学」は決して対立するものでなく、どちらも子どもたちの広い世界を知りたいという欲求を満足させるジャンルである。童話は [想像の世界] であり、科学は [現実の世界] である。車の両輪のようなもので、一方が欠けては成り立ち得ない人間の精神生活の2大支柱だといってよいだろ...
「こども科学図書館」の「かがくしつもんばこ」には、どんな質問が入っているのかという問い合わせをいただいた。主なものを掲げてみよう。 [1巻目]なぜ日にやけると黒くなるの?/しゃっくりはどうしてでるの?/お母さんはどうしてお風呂へいれたがるの?/タマネギを切るどうして涙がでるの?...
さまざま研究結果によると、[学習意欲にかげりのある子どもは、幼児期にある質問期を、うまく乗りきれなかったことによって生まれる] という。またある心理学者は、子どもの伸びようとする知能の芽を刈りとってしまうと、一生知能の低いボンヤリした人間になってしまうと指摘している。わかったと...
当時の私は、2人の子どもたちから質問ぜめの毎日だった。これまでは5歳の子からの質問が大半だったのが、下の子も負けずにはじめるようになり「あれは何なの?」「どうして?」「なぜなの?」絵本を読んであげても、テレビを見ていても、道を歩いていても、よくもこんなに質問することがあるかと思う...
昔から、ヨチヨチ歩きをはじめた子どもに危険なものを教える時、熱いアイロンやヤカンをさわらせてきた。そういう、アツイという体験が子どもにしっかり覚えこまれるため、アツイといえばストーブにも近づかなくなるし、アイロンをかけているじゃまもしなくなる。そして、おふろのお湯か熱い、ミソ汁...
「こども科学図書館」の基本方針を、具体例をあげて説明してみよう。 先にふれたように、子どもたちは自分の身近なものには何でも新鮮な関心をもち、わかろうとする知的好奇心を持っている。そして、未熟な体験ながらも、さまざまなイメージをつくりあげている。たとえば「いぬ」という言葉を聞いた...
山にとりかこまれた地方に育つ子どもたちは、海を知らない。海をゆく大きな船も、海べの生き物のことも知らない。また、ライオンやぞう、新幹線や高速道路、飛行機がどういうものかも知らない。こういうものを知るためには、じっさいに海岸につれていったり、動物園へでかけたり、新幹線にのったり、自...
月日の経過は早いもので、わが妻・国子が逝ってから早くも1年がたちました。いずみ書房を創業時から支えてくれ、発展の礎を築いてくれた大功績者でしたが、30周年を前にガンに倒れてしまいました。一周忌までに完成させる予定だった追悼集の完成は間に合いませんでしたが、本日、印刷業者にデータ入...
人間の赤ちゃんは、1歳代では同じ年令のチンパンジーより知能が低い。動作の面はもちろんのこと、記憶したり考えたりする面でも劣る。ところが2歳代になると、たちまちチンパンジーを追い抜く。言葉を使えるようになるかららしい。それほど、言葉の発達と思考力には密接な関係があるということなのだ...
とかく私を含め多くの親たちは、子どもたちの物事を深く知ろう、疑問を解決しようという心の動きを知ろうとしない傾向がある。おとなのそんな態度が幼い心を傷つけ、伸びようとする探究心の芽をつみとってしまいがちだ。 以前にもこんなことがあった。上の子が4歳になった誕生日のプレゼントに、電池...