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4冊の「かがくしつもんばこ」

科学なめくじ さまざま研究結果によると、[学習意欲にかげりのある子どもは、幼児期にある質問期を、うまく乗りきれなかったことによって生まれる] という。またある心理学者は、子どもの伸びようとする知能の芽を刈りとってしまうと、一生知能の低いボンヤリした人間になってしまうと指摘している。わかったという満足感、知ったという喜びこそ、学ぶことへの前向きの心を育てるのだ。

子どもの質問は、知能がどんどん発達して、ものごとに強い興味をひかれている証拠なのだから、忙しい時でも時間をつくり、ていねいに、上手に答えてやる必要があることを強調したい。

子どもたちの数々の疑問に対処するため、親たちの虎の巻としてつくりあげたのが、「こども科学図書館」 の最後にある4冊 「かがくしつもんばこ」 である。1冊目が人体に関すること、2冊目が動植物について、3冊目が物理・化学編、4冊目が人のくらしの中からの疑問を中心に回答している。さまざまなデータから、子どもたちから質問の多い100余項目を選んだ。

幼児にはむずかしすぎる回答もあるかもしれないが、子どもたちの知的発達に応じて回答していける工夫をした。要は、子どもの心理状態をよく理解して、やさしくわかりやすく回答すること、子どもが安心して次々に質問できるようなムードをつくってあげることが大切だろう。そして、質問してきた時こそ、子どもの知識欲も理解力も充実している時だから、本を調べてあげることも含めて、できるだけその場で回答したいものである。

投稿日:2005年09月12日(月) 10:06

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)