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入札前の買戻しは可能か

1977年3月22日に行われるという公開入札の案内を受け、事前に「ポケット絵本」の買戻しができないかを交渉するため、J・チェーンの破産管財人の事務所を訪れた。

K管財人は、当社の2500万円にも上る債権額に理解を示してくれはしたが、破産管財人の使命は、いかにJ・チェーンの資産を高く売り払い、債権者に分配できるかというところにあるという。入札以前に買い取るということであれば、在庫数の把握は完全にはできていないが、1セット(4巻組)100円程度は用意してもらわなくてはならないという。10万セットあるとすると、1000万円にもなる数字だ。不渡手形をつかまされた上に、在庫を買い取らねばならないとは、何と不本意なことだろう。

銀行からの新たな借り入れは、すでにことわられている。公開入札まで待ち、当社が、たとえば管財人の買戻し提示額の2分の1に当たる500万円で入札したとしても、どこかの業者がそれ以上の金額で入札したとすれば、当然当社の権利はなくなってしまう。公開入札の情報を得て、それを安く買って売りさばくことを目的とした業者が数多く存在するようで、そんな業者に買い取られてバッタ売りされでもしようものなら、販売組織の壊滅は目にみえている。しかも、500万円の入札資金さえ用意できるかどうかわからない。何とも、なさけない情況に陥ってしまった。

投稿日:2005年08月24日(水) 09:21

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)