児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  今日はこんな日 >  『芸術家列伝』 のバザーリ

『芸術家列伝』 のバザーリ

今日6月27日は、イタリア・ルネサンス期の画家・建築家で、ルネサンス期の芸術家百数十人の評伝を著した文筆家として知られるバザーリが、1574年に亡くなった日です。

1511年、イタリア中央部の都市アレッツォに生まれたジョルジョ・バザーリは、フランス人画家のマルシラ工房に入って修行したのちフィレンツェに出て、バンディネリらに学び、1529年サルビアーティと共同で工房を開きました。1531年、メディチ家の枢機卿に伴ってローマを訪れ、ミケランとジェロやラファエロらの作品にふれ、大きな感銘を受けました。のちにメディチ家のトスカーナ大公コジモ1世の宮廷につかえる「お抱え美術家」となりました。

画家としては、パラッツォ・ペッキオの五百人広間の壁画や、フィレンツェ大聖堂のドーム天井に『最後の審判』のフレスコ画を手がけたほか、5巻にのぼる素描のコレクションを残し、現在はルーブル美術館とウフィツィ美術館に収蔵されています。

建築家としては、パラッツォ・べッキオの改装や、のちに美術館となるウフィツィ宮殿の建築、さらにここからピッティ宮殿につながる空中回廊を設計しました。、

バザーリのもっとも重要な業績は、チマブーエからミケランジェロまで、ルネサンス期に活躍した芸術家163人の作品と生涯を記した『芸術家列伝』(正確には「もっとも著名な画家・彫刻家・建築家列伝」)でしょう。1550年に出版され、1568年に改訂されたもので、資料としては疑問を持たれる部分はあるものの、この時代を知るためには、唯一ともいえる美術史の貴重な文献になっています。


「6月27日にあった主なできごと」

1809年 上田秋成死去…わが国怪奇文学の最高傑作といわれる『雨月物語』を著した江戸時代後期の小説家・国学者・歌人の上田秋成が亡くなりました。

1850年 小泉八雲誕生…「耳なし芳一」 や 「雪女」 などを収録した 『怪談』 などを著し、日本の文化や日本の美しさを世界に紹介した小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが生まれました。

1880年 ヘレンケラー誕生…生後19か月で目・耳・口の機能を失いながらも、著述家、社会福祉事業家として活躍したアメリカのヘレンケラーが生まれました。
投稿日:2014年06月27日(金) 05:02

 <  前の記事 「熱力学の開拓者」 ケルビン  |  トップページ  |  次の記事 自然を穏やかに描いた川合玉堂  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/3360

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2015年01月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)