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「産業革命の父」 ハーグリーブス

今日4月22日は、「ジェニー紡績機」を発明したことで、イギリスに産業革命がおこるきっかけを作った技術者ハーグリーブスが、1778年に亡くなった日です。

1720年頃、イングランドの北部ランカシャー地方オズワルトウィスル近郊に生まれたとされるジェームズ・ハーグリーブスですが、生い立ちなど詳しいことは、ほとんど知られていません。40歳のころ、大工を兼ねた織布工をしていたことがわかっていますが、当時の紡績業は、昔ながらの手を使って動かす方法で、1台の機械に糸を紡ぐ紡錘が1個ついているだけの能率の悪いものでした。

研究熱心だったハーグリーブスは、糸車が床に倒れたときに糸車と紡錘が回り続けたのを見て紡績機の改良を思い立ち、1760年に羊毛用の梳綿(そめん)機を組立てました。そして1764年、1台の機械に8本の糸を同時に紡ぐことのできる多軸紡績機を発明すると、自分の妻(または長女)の名をつけて「ジェニー紡績機」と名づけました。さらに工夫を重ねて、1767年には1台の機械に80本も紡げる機械にして発売すると、紡績工たちは、仕事を奪われることを恐れて、ハーグリーブスの家におしかけて、機械をこわしてしまいました。

ハーグリーブスは、木綿の靴下の生産が盛んなノッティンガムにのがれ、本格的に多軸紡績機を製造するために1770年に特許をとりました。特許は取得以前に販売していたことで無効になってしまいましたが、ノッティンガム靴下製造業界の支持をえて、新紡績機は一気に広まり、70年代にはアークライトの水力紡績機と並んでイギリスの産業革命のきっかけをこしらえました。

「ジェニー紡績機」は小規模な家内工業でもあつかえることから、亡くなった10年後の1788年には、イングランドだけでも2万台以上普及したということです。


「4月22日にあった主なできごと」

1451年 イサベル1世誕生…1474年カスティリャ王国の女王となり、夫がアラゴン国王となったのを機に両国を統合し、スペイン王国を建国、初代女王となったイサベルが生まれました。イサベルは、1492年にはイスラム国家グラナダ王国を制圧し、約800年にわたったレコンキスタ(国土回復運動)を完成させました。同年女王の援助したコロンブスが新大陸を発見、スペイン海外発展のキッカケとしたことはとくに有名です。

1500年 ブラジル発見…ポルトガル人のカブラルがブラジルに漂着し、ポルトガルの旗を立てて領土としました。そのため、中南米の国々では、ブラジルだけがポルトガル語を言語としています。

1927年 支払い延期令…この年の3月に倒産や休業したりする銀行が続出、この金融恐慌を鎮めるために、3週間にわたる「支払い延期令」(モラトリアム) を発令、即日実施しました。日本銀行は、2億円の非常貸し出しに印刷が間に合わず、片面白紙の200円札を発行しました。
投稿日:2014年04月22日(火) 05:28

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)