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「イギリス小説の父」 デフォー

今日4月21日は、『ロビンソン・クルーソー』を著すなど、作家、ジャーナリストとしてぼう大な作品を残したデフォーが、1731年に亡くなった日です。

1660年、ロンドンの肉屋の子として生まれたダニエル・デフォー(本名フォー)は、非国教会の学校に学び聖職者をめざすものの果たせず、メリヤス商やレンガ製造などさまざまな商業活動に従事しました。政治にも興味を持ち、1685年にチャールズ2世の子のマンモス公が王位をねらって失敗する反乱に参加したり、商売でも何度となく大きな浮き沈みを体験し、1691年に破産するなど、絶えず借金に悩まされました。

やがて文筆家をめざすようになり、1697年に『企画論』がヒットして、パンフレット作者として有名になりました。しかし1702年、トーリー党の宗教政策を風刺するために、トーリー党を装ってパンフレット「非国教徒処理の近道」を制作して人々をうまくだましたものの、トーリー党と国教徒の両者の怒りを買って投獄され、3日間のさらし台の刑を受けました。これに対しデフォーは、「さらし台への賛歌」を発表したことで、さらし台に上げられた者へは汚物を投げつけられるのが習慣だったにもかかわらず、観衆は花と飲み物を与えたと伝えられています。

その後、定期刊行物「レビュー」を独力で刊行すると、政治、宗教、経済、教育、歴史、伝記、科学、旅行など、幅広いジャンルの著作を500点以上も刊行しています。いっぽう、小説にも新しい活動分野を見出し、1719年に発表した長い題名の孤島漂流記『ヨークの船乗りロビンソン・クルーソーの不思議にしておどろくべき冒険』(「ロビンソン・クルーソー」)は大評判となり、以後5年間にわたり、『海賊シングルトン』『ジャック大佐』『ロクサーナ』など、正確な日付や数字を並べた波乱に富む一代記形式をとる小説をやつぎばやに発表したことで、イギリス初の近代小説とされたばかりか、『スイスのロビンソン一家』など、これらの作品によく似た漂流記や冒険物語がたくさん作られるきっかけをこしらえました。


「4月21日にあった主なできごと」

1782年 フレーベル誕生…世界で初めて幼稚園をつくるなど、小学校就学前の子どもたちのための教育に一生を捧げたドイツの教育者フレーベルが生まれました。

1910年 マークトウェーン死去…『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』『王子とこじき』など、わんぱくな自然児や少年たちの冒険物語を著したアメリカの作家マークトウェーンが亡くなりました。

1951年 民間放送の日…民間放送16社に予備免許がおりて、これまでNHKだけの放送から、さまざまな局の番組を選べるようになりました。放送はこの年の秋、ラジオからスタートしました。
投稿日:2014年04月21日(月) 05:11

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)