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模倣のオンパレード

いずみ書房で取扱う玩具類は、おもに知育玩具である。「広州交易会」では、そういうブースを中心に回りカタログを入手したが、「何と似通った商品が多いのだろう」というのが率直な印象。ある会社の商品で評判がよいと聞くと、すぐに他の会社が真似をするということで、金太郎飴的な現象がおきているに違いない。

たとえば、香港の見本市会場で出会った、パチンコ玉のような鉄球に、強力な磁石が両端についた3〜5cmほどのプラスチック棒をつなげていく新ブロックmagnestix という名称の商品がある。日本のおもちゃショーでも見かけた商品で、子どもたちの評判もよく、注目していた商品のひとつだった。それが、この「広州交易会」では、magnestix と考え方が全く同じといってよい商品に3種類も出合った。ひとつは名称も似通った magnastix。もうひとつは、hotmag。そしてもうひとつは bornimago で、この商品もすでに日本で発売されている。

この傾向は、あらゆる業種につながっているようだ。中国で生産することは、低コストで入手できるというメリットはあるが、すぐに模倣されてしまうデメリットがあるため、中枢部の生産拠点を日本に戻したという話もよく聞く。そのため、製品そのものを中国から輸入するのでなく、日本で企画、デザイン、設計に基づいた商品の生産を中国でおこない、丸秘部分を日本でこしらえるといった工夫を必要とする段階に入ったと見るのがよいのだろう。

投稿日:2005年11月02日(水) 12:34

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)