いずみ書房で取扱う玩具類は、おもに知育玩具である。「広州交易会」では、そういうブースを中心に回りカタログを入手したが、「何と似通った商品が多いのだろう」というのが率直な印象。ある会社の商品で評判がよいと聞くと、すぐに他の会社が真似をするということで、金太郎飴的な現象がおきているに違いない。
たとえば、香港の見本市会場で出会った、パチンコ玉のような鉄球に、強力な磁石が両端についた3〜5cmほどのプラスチック棒をつなげていく新ブロックmagnestix という名称の商品がある。日本のおもちゃショーでも見かけた商品で、子どもたちの評判もよく、注目していた商品のひとつだった。それが、この「広州交易会」では、magnestix と考え方が全く同じといってよい商品に3種類も出合った。ひとつは名称も似通った magnastix。もうひとつは、hotmag。そしてもうひとつは bornimago で、この商品もすでに日本で発売されている。
この傾向は、あらゆる業種につながっているようだ。中国で生産することは、低コストで入手できるというメリットはあるが、すぐに模倣されてしまうデメリットがあるため、中枢部の生産拠点を日本に戻したという話もよく聞く。そのため、製品そのものを中国から輸入するのでなく、日本で企画、デザイン、設計に基づいた商品の生産を中国でおこない、丸秘部分を日本でこしらえるといった工夫を必要とする段階に入ったと見るのがよいのだろう。