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驚くべき規模の「広州交易会」

中国の「広州交易会」は、毎年4月と10月に開催され、今回は98回目。欧米では「広東フェア」の通称で呼ばれている。中国全土から数千社の、輸出を目的としたあらゆる製品、商品が出品される。展示面積は27万u以上(東京ドームの約6倍)、年2回の会期中の成約額は中国全体の輸出額の1割を越え、3兆円以上といわれる。そのため、世界200ヶ国15万人以上のバイヤーが訪れ、そのうちの約4%が日本人だという。

事前に、以上のような案内はされていたが、実際の会場を見てみるとその規模に唖然としてしまった。新・旧と2会場、どちらの会場も日本最大といわれるお台場にあるビックサイトで年2回行われる「ギフトショー」の2倍以上、どこをどのように回っていいのか見当がつかないほどだ。まず、当社の取扱商品とはほど遠い商品をメインにした新会場をパス、旧会場にある玩具だけにしぼりこんだが、すべてを見るのに何と5時間以上もかかった。

たいていのブースには立派なカタログが用意されていて、名刺と交換にカタログをもらうのだが、20社ともなると用意したバッグはずっしりと重くなる。日本の「おもちゃショー」のようにハイテクを使った手のこんだものより、手作りに近い小物が大半だ。やはり、世界が中国に求めるのは、人件費の安さによる廉価品なのだろう。ホテルに戻って、もらってきたカタログにざっと目を通したが、当社の通販で取扱っている商品で、国内の販売会社から仕入れている商品がたくさんある。ということは、めぼしい会社の大半はもうすでに日本のどこかの商社とつながりができているということであり、そのたくましさを感じると同時に、数年前にこういう見本市を積極的に利用せねばならなかったことを思い知らされた。

投稿日:2005年11月01日(火) 09:52

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)