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ゆっくり見てみたい都市・香港

歴史的にみると、中国は香港を、イギリスから略奪されるような形で手放すことになったが、香港に住む人たちにとってはむしろ、幸運だったのではなかろうか。旅行者の印象でしかないが、香港は立派な文化都市であり、物価も日本より多少安い程度ではあるが、中国本土と比較にならないほどインフラや社会的秩序がしっかりしている。

香港島にある「香港ギフト・プレミアム展2005」会場である「香港コンベンション&エキジビションセンター」の充実した施設と、ビクトリア・ハーバーに囲まれた景観は美しく、ブース間のたっぷりとられた歩道といい、まことにゆったりと気持ちよく歩ける。お台場のビッグサイトも、ここと比較すると貧弱さがいなめない。

見本市会場でカタログをもらい、名刺を置いてきた多くの会社から、「たくさんある中から、私どものブースにお立ち寄りいただきありがとうございます。どのような用件でも、お問い合わせくだされば、すぐにお答えします……」というメールが届く。どうせお付き合いするのなら、こういう会社とつながりをもちたいものだと思ってしまう。

香港の街中を歩いたのは、コンベンションホール近くにあるワンチャイという地下鉄駅付近の2、3時間だが、日曜日にもかかわらず活気に満ちた町並みで、小泉首相の靖国参拝問題の影響があるかと多少の心配もしたが、それもまったくなく、安心して食事や散歩を楽しめた。

ホテルは香港島対岸の九竜半島の沿岸にあり、まさに「100万ドルの…」といわれるにふさわしい夜景を堪能できた。ホテルから2、3分のところにある日本資本のジャスコは、デパートと大型スーパーがいっしょになったような大ショッピングセンターで、夜の9時、10時になっても地元の客でにぎわっていた。香港は、もう一度でかけて、ゆっくり町中を歩いてみたい都市のひとつだ。

投稿日:2005年11月09日(水) 09:37

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)