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中国の「一国2制度」

香港は、香港島と、対岸の九竜半島、およびその外側の新界と周辺の島々に大きく分けられる。イギリスはそのすべてを1997年に、中国に返還した。

香港がイギリスの植民地になったのは、1840年に始まったアヘン戦争がきっかけだった。当時イギリスは、中国(清)との貿易赤字を解消しようと、ケシから取れる麻薬であるアヘンをインドで栽培させ、大量に中国へ密輸出した。清がこれを本格的に取り締まりはじめたため、イギリスは清に戦争をしかけ、1842年に南京条約を結び、まず香港島をイギリス領とした。ついで、1860年に同じような第2次アヘン戦争(アロー戦争)をおこし、北京条約で九竜半島もイギリス領とした。さらに、1898年に新界と周辺の島々を99年間の期限付で中国から租借することになった。こうして香港は、ヨーロッパ諸国のアジア侵略という時代の流れの中で、イギリスの植民地となったわけである。

新界の租借期限である1997年が近づくと、中国は香港全体の一括返還をイギリスに要求するようになり、1984年の中英共同宣言でイギリスは、1997年に香港全体の主権を一括して中国へ返還するかわりに、香港を「特別行政区として自治権をみとめ、返還後50年間は資本主義を維持する」ことを条件にした。

こうして中国というひとつの国家に、社会主義と資本主義の2つの制度が並存することになったわけである。

投稿日:2005年11月08日(火) 09:20

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)