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「みんなのおんがくかい」の発売

みんなのおんがくかい いずみ書房のオリジナルシリーズの第5弾は、1983年5月に販売を開始した「みんなのおんがくかい」(全12巻)だった。絵本12冊と絵本に対応したカセット12巻 (のちにCD12枚) と楽譜集からなり、1冊の絵本に童謡が10曲、セミクラシック4曲を収録した。トータルで童謡120曲、セミクラシック48曲を収録したことになる。

このシリーズの最大の特長は、これまで他社で刊行されてきた童謡絵本が、単に絵に歌詞がそえられているものだったのに対し、このシリーズでは1曲ごとに、歌の解説を付けたことだ。たとえば、相田裕美作詞、宇野誠一郎作曲の「アイアイ」では、次のようになっている。

あいあい 「アイアイって、サルの種類の名まえなのよ。ゾウやライオンやキリンなどがたくさんいるアフリカの近くに、サツマイモの形をしたマダガスカルという島があって、アイアイはその島にすんでいるの。サルなのにリスに似ていて、目は丸く、しっぽはふとくて長いのよ。おうちは、木の上に、葉っぱをたくさん集めてきて、まーるいのをつくるんだって。耳が大きくてかわいいアイアイは、その葉っぱのおうちで眠るとき、どんな夢を見るのでしょうねえ。葉っぱのじゅうたんに乗って空を飛んでる夢かしら、アイアイの王さまになった夢かしら、それともやはり、ごちそうの夢かしら。島へごちそうを持っていって、おーいアイアイって呼んでみたいわね。アイアイの赤ちゃんも遊びにきてくれるわよ、きっと」

このように120曲の童謡、セミクラシック48曲、168曲すべての曲に母親が子に語りかけるヒントになるような、曲にまつわる心温まる解説を付けたことである。

投稿日:2005年11月10日(木) 09:42

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)