本日も、「みんなのおんがくかい」の曲にそえられた解説の例をあげてみよう。
わらべうたの「ひらいたひらいた」(作詞・作曲不詳) の歌詞は、つぎの通り。 (1) ひらいた/ひらいた/なんのはなが/ひらいた/れんげのはなが/ひらいた/ひらいたと/おもったら/いつのまにか/つぼんだ (2) つぼんだ/つぼんだ/なんのはなが/つぼんだ/れんげのはなが/つぼんだ/つぼんだと/おもったら/いつのまにか/ひらいた
れんげの花って、池や沼の水の上に咲く、ハスの花のことなの。赤や白や桃色の大きな花は、夏の朝、お日さまの光を受けると開いて、みんながおやつを食べる3時ころにはつぼむの。そして、次の日も開いてつぼんで、その次の日も開いてつぼんで、4日めには散ってしまうの。お姫さまのようにきれいな花なのに、たった3日しか咲かないなんて、なんだか、かわいそうな花ね。でも、この歌をみんなでうたいながら遊ぶのは、とっても楽しいわよ。みんなの手をつないで作った大きな花の輪を「ひらいたひらいた」と歌って広げ、「いつのまにかつぼんだ」とうたってつぼめ、「つぼんだとおもったら、いつのまにかひらいた」とうたって、もういちど広げるの。ハスの花が、ほんとうに、開いたりつぼんだりしているように見えるのよ。こうして、お友だちと手をつないで遊んだら、みんな、もっともっと仲よしになるわね。
この歌には、ちょっとしたエピソードがある。当時の小学1年生の音楽の教科書に、この歌が掲載されていた。次の通り(改訂前)、描かれている花はレンゲ草である。これは明らかに間違いなので、文部省(現・文部科学省)へ電話を入れたところ、調べた上で返事をしますという。返事はなかったが、改訂時期でもなかったのに、翌年の教科書では、つぎのように替えられていた。教科書会社も、しまったと思ったに違いない。