● 小・中学校の教科書に登場する人物を網羅した新時代の伝記全集!
国語、社会、理科、音楽、美術・・・に出てくる人物を、ほとんど収録しているので、学習の副読本として役立つ。1980年新しくなった「小学校学習指導要領」では、社会科の歴史学習が人物を中心とした指導になり、国語では、作文力が重視され、国語の総時間数の30%が作文の時間になって、小学6年間に読書習慣を身につけ、活字に親しむことを目標にしている。この骨子は、1998年の学習指導要綱でもほぼ踏襲。
本シリーズは、世界も日本もそれぞれ時代別の編成になっているから、巻を追って読み進めていくうちに、大きな歴史の流れを、いつのまにか身につけられるように工夫をした。たとえば、「明治維新」というテーマは、日本の歴史の上でも大変理解のむずかしい時代である。そこでこのシリーズでは、「勝海舟」 「西郷隆盛」 「坂本竜馬」「佐久間象山」「大久保利通」「吉田松陰」 「木戸孝允」「徳川慶喜」「高杉晋作」ら10数人の伝記を読むうちに、幕末から明治にかけての激動する時代が、鮮明にイメージ化できるのだ。それは、この時代を生きぬいてきた、それぞれの人物の立場から、この時代がくりかえし描きだされ、このテーマを多角的にとらえることが出来るからである。しだいに「歴史」がおもしろくなり、NHKの大河ドラマをはじめ、テレビドラマや映画の時代劇も、興味深くみることができるようになることだろう。
巻頭に 「歴史年表」 を掲げて、伝記に登場する人物がどういう時代に生きたのか、大きな歴史の流れの中での把握と、歴史学習に役立つような配慮もした。読書することが、作文力を増すことはいうまでもない。各巻末に 「読書の手びき」 をつけ、それぞれの人物をどういう視点で読み進めたらよいか、どういうねらいで書き進めてきたのか、どんな点を学んでほしいかなど、さまざまな指針を盛りこんだので、感想文を書くときにも、大いに役立つはずである。
学校の勉強がおもしろくなるのは、授業の内容がよくわかるからである。ベートーベンやモーツァルト、シューベルトの伝記から、授業で習う曲の背景を知り、ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ロダンらの芸術家の伝記により、絵や彫刻が、どんな苦労の中から生みだされてきたかを知り、新しい眼が開かれることだろう。炎の画家として名高いゴッホが、生存中はほとんど無名だったと知れば、あの燃えるようなひまわりの絵や、はね橋の絵ももっと身近なものになることだろう。ファーブルやシートンの伝記からこん虫の生活や観察のしかた、動物の生態を知り、理科の興味が芽ばえることもあるかもしれない。