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バランスのとれた4大シリーズ

前回に引き続き、「せかい伝記図書館」の執筆の中心となっていただいた有吉忠行氏の講演記録の最終回を紹介する。

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以上申しあげたようなことで、いずみ書房が、いかにまじめな出版社であるか、おわかりいただけたと思います。この 「せかい伝記図書館」 の編集には、構想されてから5年、編集実務を開始してからおよそ3年もの歳月がかかっていますが、私は、この伝記のしごとをさせていただいて、いずみ書房にますますほれてしまいました。このような出版姿勢をつらぬけば、いずみ書房は、数年のうちに、他社をしのぐすばらしい出版社になることを信じています。みなさんも、そのように信じて下さい。そして、胸をはって、営業活動にまい進なさってください。たんに本を売っているというのではなく、日本の文化運動の先端を担っているのだという誇りを持たれるべきだと思います。日本の子どもたちに、あたたかい心と美しい夢を売っているのだと信じられたらいいと思います。

さいわい、いずみ書房のこれまでの4シリーズは、たいへんバランスがとれています。
第1期の「せかい童話図書館」は、子どもたちの美しい夢を育てます。
第2期の「こども科学図書館」は、子どもたちの発見の喜びを育てます。
第3期の「ワールド図書館」は、子どもたちの社会を広く見る目を育てます。
第4期の「せかい伝記図書館」は、子どもたちの主体的に生きる心を育てます。

美しい夢、発見のよるこび、社会を広く見る目、主体的に生きる心、どれもたいせつなものです。ところが、これらのことは、いまの日本人に欠けすぎていると思います。他人の悲しみがわかるやさしい心と、人にひきずられないで自分の道を強く生きぬく心、この両方を、これからの子どもに期待したいものです。この期待のためにも、編集と営業が一体となった、いずみ書房の発展を、心づよく見守りたいと思います。私も、教育界と出版界で生きてきた20数年の経験を生かして、いっしょうけんめい、協力させていただこうと思っております。

投稿日:2005年10月21日(金) 09:33

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)