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映像と連動したリピートカード

セサミリピートカードセサミえいごワールド」教材の中で、もっとも時間と労力がかかったのは300枚のリピートカードのほとんどに、映像で登場する単語や表現を連動させた点かもしれない。映像というのは次々にイメージや音声が流れていくだけに、視聴しているだけでは英語を身につけることはむずかしい。どうしても、日常よく使われる単語や表現を、くりかえし声に出すことが重要である。ネイティブと対話する感覚を体験することができれば申し分ない。その役割を担うのがリピートカードで、新開発した「トーキングリピーターDX」には、再生、録音、対話、リピートという4つの機能が搭載されているため、クリアな音声でくりかえすことはもちろん、対話の疑似体験を可能にした。リピートカードのような、くりかえし練習できるものが付帯されることは、幼児向けの英語総合教材には欠かすことが出来ない機能といってもよいだろう。

この教材を制作するに当たり、セサミワークショップ側では5名のスタッフがチームを作り、日本で制作したカード1枚1枚の内容やイラストをこまかくチェックして、問題のある箇所を指示してくる。あくまで映像が中心なので、カードとの連動にも当然こだわるわけだ。カードの表面には英語が、裏面には表面の日本語訳と解説がついている。この解説部分に、その単語や表現が、52話のエピソードの中の何番目の話に登場しているかを紹介する。

たとえば、「 fall winter 」のカードの裏面には英語の日本語訳「 秋 冬 」と書かれ、解説部分には「アメリカでは、9月が新学期。秋から新しい学年がスタートするんだ。ティンゴの学校の先生がやってくるのはエピソード33だね。寒くて、雪がよくふるのはどの季節? ティンゴがジェイクと雪の日に外へ遊びに行こうとするお話はエピソード31だよ」という具合である。さらにこのカードには、「*fall の別の言い方にautumn があります」というコメントも付いている。裏面を見ながらカードを溝に落としても、表面と同じ音声が流れるため、和文英訳遊びが楽しめるのも、このカードの特長といえるだろう。

さらにリピートカードに工夫が加えられたのは、子どもたちをひきつける擬音が加えられていること。「野球」のカードには、ボールを打った瞬間の音とそれに呼応した歓声が、「クッキー」のカードでは、クッキーを食べた時のカリカリ音が添えられるというふうに、すべてのカードに何かしらの音素材が挿入されている。購入者から、よくぞここまで考えてくれました、と礼状がとどくほどである。

投稿日:2005年07月07日(木) 10:57

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)