今日8月30日は、ニュージーランド出身・イギリスで活躍した実験物理学者で「原子物理学(核物理学)の父」と呼ばれるラザフォードが、1871年に生まれた日です。
すべての自然科学の研究のなかでも、特に注目されているのが原子や原子核についての研究です。その原子物理学のもとになる新しい考え方をいくつも生み出し、実験で証明して発展の道をきりひらいたのが、1908年にノーベル賞を受賞した、アーネスト・ラザフォードです。
1871年、ラザフォードはニュージーランドの開拓民の家に生まれました。小さいときから勉強熱心で、好奇心が人一倍強く、実験をしたり、道具の組みたてをするのが好きでした。
ニュージーランドの大学で学んだのち、1895年にイギリスへ渡り、ケンブリッジ大学のキャベンディシュ研究所に入学しました。すでに物理学の研究を生涯の仕事と決めていたラザフォードは、その熱心さが認められて、電子を発見したトムソン教授のもとで指導をうけることになりました。研究所でラザフォードが始めた実験は、エックス線を気体にあてて電離させる研究でした。
このころ世界では、現代の物理学の出発ともいわれるような発見がたくさんありました。ドイツの レントゲン のエックス線や、フランスのベクレルの放射線の発見などです。
ラザフォードも負けてはいません。1898年、カナダの大学に教授としてまねかれると、いままで以上に研究や実験をくりかえし、アルファ線、ベータ線の発見をしました。また、科学者ソディと協力して、これまで永久に変わらないものと考えられていた原子が、変化をするという画期的な考えも発表しました。
やがて、ふたたびイギリスにもどると、1911年には、アルファ線の散乱を調べて、原子が核をもつことも明らかにしました。トムソン教授のあとをついで、48歳のとき、キャベンディシュ研究所の所長になったラザフォードは、研究への情熱を、ますます燃えあがらせました。
ラザフォードは、自分だけの研究に没頭するのではなく、ラザフォードの指導のもとに、助手のチャドウィックが中性子の発見で、コッククロフトとウォルトンが加速器を使った元素変換の研究で、アップルトンが電離層の研究でそれぞれノーベル賞を受賞するなど、おおくの研究者のなかから、ノーベル賞受賞者を10人近くもだすほどでした。
研究と実験をかぎりなく愛し情熱をそそいだラザフォードは、研究活動が最高潮だった1937年の秋、とつぜん病気にかかり、66年の偉大な生涯を閉じたのでした。
「8月30日にあった主なできごと」
1748年 ダビッド誕生…フランスの古典派の代表的画家ダビッドが生まれました。(2008.4.4ブログ 「皇帝ナポレオンの戴冠」 参照)
1871年 国木田独歩誕生…「武蔵野」 「牛肉と馬鈴薯」 「源叔父」 などの著作をはじめ、詩人、ジャーナリスト、編集者として明治期に活躍した 国木田独歩 が生まれました。
1945年 マッカーサー来日…第2次世界大戦後、日本は連合国軍司令部(GHQ)の統治下におかれました。その最高司令官に任命されたのがアメリカのマッカーサー元帥で、神奈川県の厚木飛行場におりたちました。