今日7月8日は、世界最大の石油会社「スタンダード石油」を設立し巨額の富を得、後にそのぼう大な資産を慈善事業に費やしたアメリカの実業家ロックフェラーが、1839年に生まれた日です。
ジョン・ロックフェラーは、 ニューヨーク州リッチフォードに、農業をいとなむ両親の長男として生まれました。
1853年に一家はオハイオ州クリーブランドに転居。16歳のとき、ロックフェラーはこの地で、農産物仲買商の店員兼簿記係として働きはじめました。そして2年後の1858年、友人のモーリス・クラークといっしょに、クラーク・アンド・ロックフェラー社を設立し、2800ドルの投資で穀物を売買する店をひらくまでになりました。
ロックフェラーはいつも、他人とは別の行動をとること、時代の流れに敏感であることを心がけていました。穀物商の次にはじめたのが、石油を精製する仕事でした。そのころ人びとは、石油の発掘に懸命になっているときでした。ロックフェラーは、意見の違うクラークと別れ、精製会社を72,500ドルで買収して新会社を設立、石油の精製と販売に力をそそぎました。
事業は順調にすすみ、地元の競合企業を吸収し、やがてアメリカ全土に広がる配送網を持つ石油会社をめざすまでになりました。こうして1870年31歳のとき、「スタンダード石油」を設立して社長に就任したのでした。事業をさらに拡大させて、1879年には世界の石油精製の9割を占めるほどの石油精製会社に急成長、総資産10億ドルをこえるまでになりました。
「世界の石油王」といわれるようになったロックフェラーですが、「富は私してはならない。私も人びとも共に栄えて進歩があり栄光がある」という信条の持ち主でした。そのため、財産の一部を公共事業、慈善事業に拠出しました。
1892年には、3500万ドル以上の資金をシカゴ大学創設につぎこみ、1913年には「ロックフェラー財団」をこしらえて、病院・医学研究所、教会、学校などたくさんの施設をこしらえ、文化事業に多額の資金を投入しました。
ロックフェラーは1911年まで社長にとどまりますが、この年アメリカ最高裁判所は「スタンダード石油」を、アメリカの法律「反トラスト法」違反に認定、トラストの解散を命じたことがきっかけでした。この巨大企業を構成していた38のグループ会社は、それぞれ個別の会社として切り離されることになりましたが、事業と財団は息子が受けつぎ、現在でもアメリカで最も豊かで最も影響力を持つ一族といわれています。
「7月8日にあった主なできごと」
1621年 ラ・フォンテーヌ誕生…人間を動物におきかえた教訓話(寓話)で名高いフランスの文学者・詩人のラ・フォンテーヌが生まれました。(2008.7.8ブログ 参照)
1979年 朝永振一郎死去…量子力学の研究の中から「超多時間理論」をまとめ、それを発展させた「くりこみ理論」を発明した功績によって、ノーベル物理学賞を受賞した 朝永振一郎 が亡くなりました。
1994年 金日成死去…朝鮮半島の抗日運動家・革命家として活動、1948年9月にソ連の支援をえて「朝鮮民主主義人民共和国」(北朝鮮)を建国、同国を朝鮮労働党独裁によって支配し続けた 金日成 が亡くなりました。