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「征服王」 ウィリアム1世

今日9月9日は、ノルマン朝を開いてイングランド王となり、イギリス王室の開祖となったウィリアム1世が、1087年に亡くなった日です。

スカンジナビア半島を本拠とし、古くは「バイキング」とよばれたノルマン人は、フランス(西フランク)にも侵入し、10世紀後半にはフランス北西部のノルマンディー地方にノルマンディー公国を建国していました。

ノルマンディー公ロベールの子として、1027年に生まれたウィリアムは、1035年、わずか8歳で父の後をつぎ、ノルマンディー公2世となりましたが、若かったために重臣たちとのあいだに争いがおきました。やがて、軍事的な才能を発揮したウィリアムは、重臣たちをおさえつけたばかりか領土を拡げ、フランスの大諸侯のひとつとなっていきました。

当時イングランドは、エドワード懺悔(ざんげ)王がイングランド王に即位していたものの、世つぎがなかったために、周辺国の王や諸侯たちにねらわれていました。1066年にエドワードが亡くなり、義弟のハロルド2世が王を名のると、ウィリアムは、懺悔王の母がウィリアムの大叔母にあたることを理由に、自分こそイングランド王の権利があると主張しました。そこで、ローマ教会の実力者でのちにグレゴリー7世となるヒルデブラントの後援をえて、1万2千の兵を率いてイングランドに向かいました。いっぽうハロルドの弟トスティもハロルドの即位に不満を持ち、ノルウェー王をさそってスタンフォード・ブリッジに攻めこんでいました。そんな混乱の中、ウィリアムは、「ヘースティングの戦い」でハロルドを破って、イングランド王ウィリアム1世となり、ノルマン王朝をひらくと、その後数年をかけて、イングランド全土を征服(ノルマン・コンクエスト)しました。

さらにウィリアム1世は、旧支配勢力のサクソン貴族から土地を奪うとノルマン人の臣下に与え、全イングランドの土地を調べあげて、税制度を定めました。1086年には、臣下とすべての領主をソールズベリーに集めると、かれらの土地を保証すると同時に、王への忠誠と戦時には参戦することを約束させて、封建制度を確立しました。

しかし翌1087年、フランスに遠征し、フランス王フィリップ1世と交戦中に落馬して受けた傷が原因で、60歳で亡くなりました。ウィリアム1世は、あくまでノルマンディー公だったため、形の上ではイングランドはフランスの支配下にありました。これがのちに、100年以上もつづくイギリスとフランスとの争い「百年戦争」の遠因となったといわれています。


「9月9日にあった主なできごと」

686年 天武天皇死去…645年におこった大化改新の事業を完成させ、革新の気風あふれた白鳳文化を生んだ天武天皇が亡くなりました。

1828年 トルストイ誕生…『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』などの長編小説や随想録『人生読本』で名高いロシアの作家トルストイが生まれました。

1948年 「朝鮮民主主義人民共和国」成立…同年8月に成立した「大韓民国」(韓国)に対抗して、「朝鮮民主主義人民共和国」(北朝鮮)が成立し、金日成を首相に選びました。

投稿日:2013年09月09日(月) 05:23

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)