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「イエズス会」 とロヨラ

今日7月31日は、カトリックの修道会イエズス会の創立者の一人で、初代総長となったロヨラが、1556年に亡くなった日です。

1491年、スペインの北部バスク地方のロヨラ城に、貴族の13人兄弟末っ子に生まれたイグナチオ・デ・ロヨラは、9年間の宮廷教育を受けた後、1518年にナバラのスペイン副王に仕える軍人になりました。ところが1521年、フランス軍とのパンプローナの戦いで重傷をおい、父の城で療養生活を送ることになりました。

その療養生活中、イエスの生涯の物語やアッシジのフランチェスコらの聖人伝を読むうちに深く感動、過去の罪悪的な生き方を反省し、自己犠牲的な生き方をする決意をしました。やがて健康を回復すると、1522年にベネディクト会修道院を訪れ、カタルーニャにある洞窟の中にこもって黙想の時を過ごすなどの修行を積みました。1523年にはエルサレムへ巡礼の旅にのぼりました。

さらに学問の必要を痛感したロヨラは、1528年パリ大学に入学し、一般教養と神学を学びました。パリ留学は7年にのぼり、その間におなじバスク出身で、のちにキリスト教を日本に布教するフランシスコ・ザビエルら、6人の重要な同志と知り合い、彼らを信仰生活に導きました。

ロヨラと同志たちは、そのころにさかんになっていたルターらのプロテスタント(新教徒)の運動に懸念をいだき、それに対抗するカトリック教会を革新しなくてはならないと考えるようになりました。そして1534年、ロヨラと6人の仲間たちは、パリのモンマルトルの丘に登り、神に自分たちの生涯をささげること、清貧で貞潔であること、7人はおなじグループとして活動すること、教皇の望むところならどこでもおもむくことなどを誓いあいました。これが「モンマルトルの誓い」で、イエズス会の始まりとされています。正式には、1540年に教皇パウロ3世がイエズス会を許可し、翌年ロヨラがその総長となり、亡くなるまでその職に献身しました。

イエズス会は、当時ポルトガルやスペインがアジア、アフリカ、アメリカに広げた植民地に多くの修道士を積極的に送り出し、カトリックをヨーロッパ以外に広げる大きな力になりました。

なお、ロヨラは『霊操』(修道会に伝わってきた良心の究明、黙想、観想など修業の諸要素を体系化) の著者としても有名で、死後の1622年には、カトリック教会から「聖人」の位を受けています。


「7月31日にあった主なできごと」

1875年 柳田国男誕生…『遠野物語』を著すなど日本民俗学の開拓者といわれる柳田国男が生まれました。

1905年 日露戦争終結…5月末に「日本海海戦」に勝利し、ロシアに講和を受け入れるようアメリカに仲裁を申し入れていた日本に、この日樺太を占領に成功したことでロシア軍が降伏、「日露戦争」が終結しました。

1944年 サン・テグジュペリ死去…『星の王子さま』をはじめ、『夜間飛行』『人間の土地』などを著わした作家で飛行家のサン・テグジュペリが亡くなりました。

投稿日:2013年07月31日(水) 05:45

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)