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「自由貿易論」 のコブデン

今日4月2日は、実業家として成功したのち政治家として、イギリスの自由貿易制度の確立に貢献したコブデンが、1865年に亡くなった日です。

1804年、イングランド南部のサセックス州に貧しい農家の子として生まれたリチャード・コブデンは、家が11人の子だくさんだったために親類に育てられ、私立の寄宿学校を卒業後、1819年からロンドンにある叔父の商店に店員となりました。やがてキャラコ(綿布の一種)販売人として働きはじめめ、1828年に独立してマンチェスターに進出、キャラコ染物工場を開いて成功し、ひと財産を築きました。

やがて経済学を学ぶうち、アダム・スミスに強い影響を受け、1835年にアメリカを旅して『イギリス・アイルランドそしてアメリカ』という小冊子を刊行しました。そのなかで、貿易は自由であり、平和主義に徹すべきであると主張し、新聞などにも自由貿易論をとなえました。1838年からはマンチェスターの実業家の同志と「反穀物法同盟」を結成して穀物輸入に課せられていた関税の撤廃を要求しました。1841年下院議員に当選すると、J・ブライトと協同して、1846年に穀物法廃止を実現、自由貿易制度の確立に大きな貢献をしました。

さらに、政府が高い税金をとり、戦争にぼう大な税金を投入することは商工業者のためにならないという立場から、一貫して平和と軍備縮小を訴え、おりからのクリミア戦争やアロー戦争(第2次アヘン戦争)に強く反対をとなえました。

1860年代に入っても、蔵相グラッドストンとともに、フランスとの間に自由貿易の通商条約を締結させました。また、アメリカでおこった南北戦争には北部を支持するなど、自由貿易主義を、理論だけでなく、現実の政治や行動に生かすことに務めました。大臣の地位や、爵位などもすべてことわり、あくまで平民として生涯を終えたことは、後世の政治家の模範といわれています。


「4月2日にあった主なできごと」

1805年 アンデルセンの誕生…『マッチ売りの少女』『みにくいアヒルの子』『人魚姫』など、たくさんの創作童話を著わし、「童話の王様」といわれるデンマークのアンデルセンが生まれました。

1956年 高村光太郎死去…彫刻家、画家、評論家であり、詩集『智恵子抄』などを著した高村光太郎が亡くなりました。

2008年 石井桃子死去…創作童話『ノンちゃん雲に乗る』や「ピーターラビット」(ビアトリクス・ポター)「クマのプーさん」(ミルン)「ミッフィー」(ブルーナ)シリーズなどの翻訳で、戦後のわが国児童文学界をリードしてきた作家・編集者の石井桃子が亡くなりました。

投稿日:2013年04月02日(火) 05:14

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)