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黒人解放運動を指導したキング牧師

今日1月15日は、黒人の公民権運動を指導し、ノーベル平和賞を受賞したアメリカ合衆国のキング牧師が、1929年に生れた日です。

1862年リンカーン大統領によって行われた「奴隷解放宣言」により、アメリカ合衆国での奴隷制は廃止されました。しかし、人種差別が撤廃されたわけでなく、公共施設やバスなどの公共交通など、白人と非白人といった区別は容認されたままでした。

ジョージア州アトランタ市の裕福な黒人牧師の長男として生まれたマーチン・ルーサー・キング(「キング牧師」の名で有名) は、父と同じ名前をつけられたため、ジュニアとされています。黒人だけが通うモアハウス大学を卒業後、神学校を経て、1955年にボストン大学で博士号を取得したキングは、人種差別のひどいアラバマ州モンゴメリーの教会につとめ、社会活動を開始しました。

1955年末にモンゴメリーで、乗合バスの人種差別に抗議して、バスに乗らない運動が黒人市民のあいだでおこると、キングはこれを指導して「バス・ボイコット闘争」を展開、みごとにバス会社を屈服させました。この闘争は、インド独立運動の指導者ガンジーの提唱する「非暴力主義」の思想と行動にヒントをえたもので、いちやく全米に注目を集めました。

1957年には、アトランタの教会牧師をしながら、南部キリスト教指導者会議を組織すると、全南部に差別撤廃を求める「非暴力直接行動」運動を続けました。そのため、激しい暴力的な弾圧をうけながらも、非暴力抵抗を貫き、1963年には「ワシントン大行進」(「I Have a Dream」[私には夢がある] は歴史的な演説として特に有名)を行って、黒人の公民権(選挙権や公務にたずさわるなどの権利)を認めさせることに成功しました。

そんなキング牧師の努力が実って、1964年にノーベル平和賞を受賞しました。しかし、差別はさらに強まり、黒人たちの抵抗運動も激しさを増しました。1967年には「ベトナム戦争反対」を表明し、1968年には「貧者の行進」をよびかけましたが、その直後の4月、テネシー州メンフィスで、キング牧師を邪魔と考える者による凶弾により暗殺されてしまいました。

なお、アメリカではキング牧師の栄誉を称え、1986年から、誕生日に近い1月の第3月曜日を「マーチン・ルーサー・キング・ジュニア・デー」という祝日にしています。


「1月15日にあった主なできごと」

1862年 坂下門外の変…大老の井伊直弼が「桜田門外の変」(1860年)で殺害されたあとを受け、老中となった安藤信正が、江戸城の坂下門外で、水戸浪士ら6人に襲われました。

1918年 ナセル誕生…スエズ運河の国有化、アスワン・ハイ・ダムの建設につとめ、第三世界(アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの発展途上国)の指導者として活躍したエジプトのナセルが生まれました。

1939年 70連勝成らず…大相撲春場所4日目、69連勝中の横綱双葉山はこの日、関脇安芸の海に敗れ、70連勝をのがしました。当時の大相撲は、1月と5月の1年2場所・10日制で、現在の1年6場所・15日制と条件の違いはありますが、69連勝という記録は、いまだに破られていません。

投稿日:2013年01月15日(火) 05:31

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)