児童英語・図書出版社 創業者のこだわりブログ Top >  今日はこんな日 >  西欧世界の基盤をつくったカール大帝

西欧世界の基盤をつくったカール大帝

今日4月2日は、フランク王国の国王で、西ヨーロッパ世界の秩序を確立したカール大帝が、742年に生まれた日です。カール大帝は、フランスでは「シャルルマーニュ」と呼ばれています。

現在のフランスとドイツ西部を領土とするフランク王国・カロリング朝のピピン(小ピピン)の子として生まれたカールは、768年、国王になると東方のザクセン王国を征服し、南方ではローマ教会最大の敵だったランゴバルド王国をほろぼしました。

西方では、イベリア半島からピレネー山脈を越えて侵入しようとしていたイスラム勢力を、山脈のはるかむこうに押しもどす(これは、中世の叙事詩「ローランの歌」に生きいきと語られていることで有名)など、フランク王国の領土を広げ、714年に亡くなる46年間の治世のあいだに、53回もの軍事遠征をおこないました。

この間に、ローマ教皇との結びつきが深くなり、もとからの領土ばかりでなく、征服地をすべてキリスト教に改宗させ広めた功績で、800年のクリスマスの日、ローマ・サンピエトロ寺院で教皇レオ3世から「ローマ帝国」の冠を受けました。これは、ローマ人にかわり、ゲルマン人による西ヨーロッパの秩序が確立されたことを意味しています。

カール大帝は、アバール人を破ったり、イスラム勢力の国家「アッバス朝」の君主と同盟を結んで、東ローマ帝国や西地中海のイスラム勢力をけん制しました。国内では、首都アーヘン(今のオランダ・ベルギー・ドイツ国境付近の町)に宮殿を築き、宮廷学校をつくり、有名な神学者や哲学者をあつめてローマ文化の保存や教育に力を入れたため「カロリング・ルネッサンス」と呼ばれる文化復興を行うなど、古代ローマ、キリスト教、ゲルマン文化の融合をもたらした人物として高く評価されています。


「4月2日にあった主なできごと」

1805年 アンデルセンの誕生…『マッチ売りの少女』『みにくいアヒルの子』『人魚姫』など、たくさんの創作童話を著わし、「童話の王様」といわれる アンデルセン が生まれました。

1956年 高村光太郎死去…彫刻家、画家、評論家であり、詩集『智恵子抄』を著した 高村光太郎 が亡くなりました。

2008年 石井桃子死去…創作童話「ノンちゃん雲に乗る」や「ピーターラビット」(ビアトリクス・ポター)「クマのプーさん」(ミルン)「うさこちゃん」(ブルーナ)シリーズなどの翻訳で、戦後のわが国児童文学界をリードしてきた作家・編集者の石井桃子が亡くなりました。

投稿日:2012年04月02日(月) 05:19

 <  前の記事 武助馬  |  トップページ  |  次の記事 『無原罪の宿り』 のムリーリョ  > 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mt.izumishobo.co.jp/mt-tb.cgi/2694

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

         

2014年08月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

月別アーカイブ

 

Mobile

児童英語・図書出版社 社長のこだわりプログmobile ver. http://mt.izumishobo.co.jp/plugins/Mobile/mtm.cgi?b=6

プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)