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『モヒカン族の最後』 のクーパー

今日9月15日は、アメリカ開拓時代を描いた冒険小説を著わしたアメリカの作家・評論家のクーパーが、1789年に生まれた日です。

ニュージャージー州バーリングトンの大地主の家に生まれたジェイムズ・フェニモア・クーパーは、少年時代は父親のこしらえた荒地に近い町クーパーズタウンで育ちました。1806年エール大学に入学しましたが2年後に放校されてしまいます。まもなく商船の水夫となって海に親しみ、海賊に追われる体験もしました。その後は海軍に入って各地を巡歴し、海軍士官にまでなって1812年に退役、子どもの頃からのたくさんの冒険を題材に、小説を書きはじめました。やがて、アメリカ独立戦争を扱った『スパイ』で有名になり、『パイロット』など歴史物を多く発表しました。

その後は、開拓時代のアメリカを舞台にした作品を次々に著わし、『レザーストッキング物語』を書きだしたころは、クーパー自身がいちばん能力を発揮できる分野と確信したようです。この物語は、『シカごろし』『モヒカン族の最後』『開拓者』『パスファインダー』『大草原』からなる5部作で、2作目の『モヒカン族の最後』が特に有名です。

アメリカインディアンの一部族であるモヒカン族の生き残りの二人が、高貴な精神を貫いて戦い続けたのちに死んで、ついに部族が絶えてしまう悲愴な冒険物語ですが、白人に追われ、自分たちのものだった土地を失っていくインディアンのすがた全体が、生き生きと描かれているためでしょう。

なお、いずみ書房のホームページで公開している「オンラインブック」の「レディバード100点セット」では、『モヒカン族の最後』(63巻目)の抄訳版・日本語参考訳を読むことができます。


「9月15日にあった主なできごと」

1140年 鳥羽僧正死去…平安時代後期の天台宗の高僧でありながら絵画にも精通して、「鳥獣戯画」の作者といわれる 鳥羽僧正 が亡くなりました。

1600年 関が原の合戦…天下分け目の戦いといわれる合戦が、岐阜県南西部の地「関が原」でおこりました。徳川家康 ひきいる東軍と、石田光成 ひきいる西軍との戦いです。一進一退をくりかえしていたのが、西軍として参戦していた小早川軍が東軍に寝返ったことことで西軍は総崩れし、東軍の圧勝に終わりました。これにより、全国支配の実権は、家康がにぎることになりました。

1825年 岩倉具視誕生…公家出身で、幕末から明治前期に活躍した政治家 岩倉具視 が生まれました。

1881年 魯迅誕生…20世紀初頭の旧中国のみにくさを鋭く批判した「狂人日記」「阿Q正伝」を著した 魯迅 が生まれました。

投稿日:2011年09月15日(木) 06:33

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)