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社会学の祖・コント

今日9月5日は、フランスの社会学者、哲学者で、「社会学」を提唱したコントが、1857年に亡くなった日です。

1798年、南フランスのモンペリエに生まれたオーギュスト・コントは、幼い頃からすばらしい能力を発揮し、ラテン語と数学は特に優れていたといわれています。理工科大学に進学したコントでしたが、大学騒動の首謀者とみなされて退学。19歳のとき、社会主義思想家サン・シモンの弟子になって、その思想から大きな影響を受けました。

シモンは、フランス革命後の混乱と動乱に満ちた初期近代フランスを「産業主義」ととらえていましたが、コントはさらに、どうしたら秩序を再建できるかを考え、何よりも人間の精神的秩序を回復することが大切だと考えるようになりました。そして、人間の社会的な関係を研究する学問として「社会学」を提示、歴史学、心理学、経済学を統合する実証主義的な科学的研究でなければならないとしました。コントの発想は、やがてミルやスペンサーらに受けつがれ、実証主義的体系化がはかられていきます。

晩年は、「愛を原理に、秩序を基礎に、進歩を目的に」をスローガンに掲げた人類教を唱え、自ら教祖となって普及につとめました。また、知的要素に重点をおき、主観的要素が社会を動かすことに着目、実証主義的教育を重視して「工芸協会」を設立、一般労働者向けの天文学の講義を18年間継続したことも、よく知られています。

コントは、社会学の創始者のみならず、広い意味の哲学者として実践的な活動をおこなった業績は、のちのマルクスにも大きな影響を与え、思想家としての巨匠と評価されています。


「9月5日にあった主なできごと」

1566年 スレイマン死去…オスマン帝国第10代スルタンとして13回にもおよぶ遠征の末、地中海の制海権をにぎって「世界の帝王」と呼ばれた スレイマン が亡くなりました。

1638年 ルイ14世誕生…フランスブルボン王朝の第3代国王で、「朕は国家なり」と絶対専制君主として勢力を誇った ルイ14世 が生れました。

1903年 棟方志功誕生…仏教を題材に生命力あふれる独自の板画の作風を確立し、いくつもの世界的な賞を受賞した版画家 棟方志功 が生れました。

投稿日:2011年09月05日(月) 08:02

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)