今日8月30日は、電子と同位体を発見し、質量分析器を発明したイギリスの物理学者トムソンが、1940年に亡くなった日です。
1856年、イギリス中部西海岸マンチェスターの本屋の家に生まれたジョセフ・ジョン・トムソンは、小さな私立学校に通ううち、科学への強い興味と才能を示し、ケンブリッジ大学で1880年に数学の学士号、1883年に修士号を取得。1884年に母校の教授になり、のちに物理学のキャベンディッシュ研究所の所長に就任しました。
1897年、クルックスが発見していた陰極線が、帯電した粒子の流れであることを確認しました。そして、この粒子は、すべての物質を形づくる一番もとになる材料「電子」であることを明らかにしました。さらに、粒子の電荷と質量の比を測定しました。1904年には、プラムプディング模型と呼ばれる原子模型を提出、1906年には、「気体の電気伝導に関する理論と実験的研究」が評価され、ノーベル物理学賞を受賞しました。1912年には、カナル線という真空管を工夫してこしらえたものを研究し、質量分析器を制作しています。
トムソンは、キャベンディッシュ研究所を引き継ぎ「原子物理学の父」と評価されているラザフォードをはじめ、息子ら計7人の教え子がノーベル賞を受賞、教育者としても大きな功績を残しました。1918年、トリニティ・カレッジの学長となり、亡くなる直前まで明晰な頭脳を保ち続けたといわれています。
「8月30日にあった主なできごと」
1871年 国木田独歩誕生…『武蔵野』『牛肉と馬鈴薯』 『源叔父』 などの著作をはじめ、詩人、ジャーナリスト、編集者として明治期に活躍した 国木田独歩 が生まれました。
1945年 マッカーサー来日…第2次世界大戦後、日本は連合国軍司令部(GHQ)の統治下におかれました。その最高司令官に任命されたアメリカのマッカーサー元帥が、神奈川県の厚木飛行場におりたちました。