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清の隆盛と乾隆帝

今日2月7日は、清朝(中国)第6代皇帝で、康熙(こうき)帝、雍正(ようせい)帝とともに、130年にわたる清朝の全盛期を築いた乾隆帝(けんりゅうてい)が、1799年に亡くなった日です。

17世紀前半の中国では、明が勢いを失いかけていました。現在の中国東北部に満州族が台頭し、1616年にヌルハチは「後金」を建てて、明の東北部を支配し、第2代のホンタイジは内モンゴルを併合して「清」を名乗ります。いっぽう、1644年、明朝に不満を持つ農民たちは、李自成を指導者にたてて大規模な反乱をおこして北京を占領して明を滅ぼしましたが、清の第3代皇帝の順治帝は、李自成を倒して中国支配のきっかけをつくり、第4代皇帝の康熙帝が、モンゴル高原、チベットや周辺まで勢力範囲を広げ、中国統一に至りました。

1711年、第5代皇帝雍正帝の第4子として生まれた乾隆帝は、祖父の康熙帝に、その賢さから愛されてそだち、1735年に即位しました。乾隆帝の功績の第一は「十全武功」と呼ばれる10回の外征です。ジュンガル、金川、グルカに2回、回部、台湾、ビルマ、安南(ベトナム)に1回計10回の遠征を誇り、自ら十全老人と呼びました。これによって、清の支配圏は中国史上最大規模に広がりました。

国内政治においても、康熙・雍正期の繁栄に支えられて国庫が豊かだったために、民衆にはたびたび減税を行い、古今の優れた書物を書き写して保存するという文化事業『四庫全書』の編さんにあたり、漢民族を懐柔しました。いっぽう、多くの書物を禁書にして、満州人に対する反対思想を封じこめました。

こうして、経済や文化もめざましく発展し、宮廷はきらびやかに飾られ、乾隆帝自身も数多くの漢詩を作りました。また、中国の伝統的な文物をこよなく愛し、今も故宮博物院に残るたくさんのコレクションを収集するなど、まさに、清の絶頂期と讃えられています。

しかし晩年は、政治が乱れはじめ、「白蓮教徒の乱」をはじめ各地に乱がおきはじめ、やがて清は、人民の苦しみとともに、下り坂の時代に突入していくのです。


「2月7日にあった主なできごと」

1184年 一ノ谷の合戦…源義経 率いる源氏軍は、一ノ谷(神戸市)に陣を構えていた平氏軍を、背後の絶壁を駆け下りて奇襲に成功、源平戦勝利のきっかけとしました。

1812年 ディケンズ誕生…「オリバー・ツイスト」 「クリスマスキャロル」 「二都物語」 などを著したヒューマニズム作家 ディケンズ が生まれました。

1834年 メンデレーエフ誕生…ロシアの化学者で、物質を形づくっている元素の研究をつづけ「元素の周期律表」を作成した メンデレーエフ が生まれました。

1885年 岩崎弥太郎死去…明治の初期に海運業をおこし、船の運送にともない海上保険、造船、鉱山、製鉄、銀行、製紙など、さまざまな産業に進出し、三井財閥と並んで近代日本の産業界に勢力をほこった三菱財閥の基礎をつくった実業家 岩崎弥太郎 が亡くなりました。

投稿日:2011年02月07日(月) 06:36

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)