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「イギリスのブルドック」 チャーチル

今日11月30日は、第2次世界大戦のとき、イギリス首相として連合国を勝利に導くのに大きな力を発揮したチャーチルが、1874年に生まれた日です。チャーチルは1953年、『大戦回顧録』の著書によってノーベル文学賞を受賞しています。

オックスフォードシャー州の貴族の家に生まれたウィンストン・チャーチルは、子どものころからわんぱくで、勉強ぎらいでした。13歳で名門ハロウ校に入学しますが、文章を書くことが好きだった以外は戦争ごっこばかりしています。そのため成績は悪く、そんな息子を見かねた父親は、法律家にすることをあきらめ、軍人になることをすすめました。でも、陸軍士官学校へは2度も不合格、3度目にやっと入学をはたせるほどでした。

1894年に卒業したチャーチルは、陸軍将校としてキューバ・インド・エジプトなどを回りました。ひまなときに読書に集中するうち、文を書いて生きることをめざすようになりました。1899年に軍職をしりぞくと、「モーニング・ポスト」の記者に採用され、特派員となって南アフリカでおこっていた「ブーア戦争」を取材しました。ところが取材中に、ブーア人の捕りょになってしまいました。うまく脱獄に成功して、その体験記を発表したところ大評判になって、チャーチルは一躍有名人になったのです。そして、1900年に、保守党から下院議員に当選し、政治家の世界へふみこみました。第1次世界大戦中は海軍大臣として活躍し、第1次大戦後は陸軍、空軍などの大臣を歴任しました。

第2次世界大戦中の1940年からは、国民の大きな期待を集めてイギリス首相となり、ドイツ空軍によるイギリス本土空襲にあっても、「イギリスのブルドック」とよばれる闘志をむき出しにして、国民をはげまし続けました。

1941年6月に、反共でありながらも独ソ戦争をはじめたソ連と同盟し、8月にはアメリカの ルーズベルト 大統領と「大西洋憲章」を発表して、第2次世界大戦および戦後世界の基本的態度を明らかにしました。のちの国際連合憲章は、この憲章をもとにしています。さらにチャーチルは、アメリカのルーズベルト、ソ連の スターリン 首相と「テヘラン会談」「ヤルタ会談」を開いてドイツに対する戦争を指導し、連合国の団結を固めてドイツを敗北に導いたのでした。

なお、チャーチルの詳しい生涯につきましては、いずみ書房のホームページ・オンラインブックで公開している「せかい伝記図書館」第16巻「チャーチル」をご覧ください。


「11月30日にあった主なできごと」

1667年 スウィフト誕生… 『ガリバー旅行記』 などを著したイギリスの風刺作家スウィフトが生まれました。

1835年 マーク・トウェーン誕生…少年文学『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』や『王子と乞食』などユーモアのなかにするどい社会風刺をもりこんだ数々の作品を著したアメリカの作家 マーク・トウェーン が生まれました。

1892年 伝染病研究所設立… 北里柴三郎 は、福沢諭吉 の後援でわが国初の伝染病研究所を設立しました。ここでペスト菌や赤痢菌発見などの功績をあげ、野口英世や志賀潔らの人材を輩出しました。

投稿日:2010年11月30日(火) 06:47

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)