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日本書紀

今日5月21日は、歴史書 『日本書紀』 が、天武天皇の皇子である舎人親王が中心となって、720年に編さんされた日です。

『古事記』 は712年に完成した歴史書で、歴代の天皇とそのエピソードが中心だったのに対し、『日本書紀』 は 『古事記』 をまとめた太安万侶ら数人の学者が協力した本格的なもので、資料として、古くから伝わる説話のほか寺院の縁起、諸家の記録、中国・朝鮮の史料などを広く用い、神代から持統天皇までを漢文の編年体で記し、巻数も古事記の10倍にもなる大がかりなものでした。

現在は使われていませんが、太平洋戦争前は皇紀とか、神武紀元といわれる独特な暦年がありました。これは、天皇の先祖といわれる神武天皇が即位した年を初年としたもので、西暦より660年も古いものでした。そのため1940年は、その2600年目にあたっていたため、建国2600年のお祝いをするほどでした。これも 『日本書紀』 に記されているためでした。こんなことが行なわれたのは、日本では、長い間この書の内容について、疑問をはさんだり、批判することが許されなかったためです。

1、2巻が神代巻で、国の成り立ちに始まる神話や伝説、3巻以後は神武天皇から持統天皇まで、代々の天皇を1代ごとに章をわけて、天皇を中心とする歴史の歩みを記しています。

『日本書紀』 の内容に、批判が下されるようになったのは江戸時代からで、本居宣長はこの本には、わが国本来の思想がゆがめられていると説き、新井白石や平田篤胤も、古代の姿に疑問を投げかけました。

しかし明治に入ると、『日本書紀』 にあらわされた神武天皇即位の日を太陽暦になおして、それが2月11日にあたるため 「紀元節」 とさだめました。それ以来、神話や伝説もそのまま歴史上の事実とみるようになりました。こうして日本の上代史の多くの部分にベールをかぶせ、天皇中心の国体観を国民に植えつけていったのです。


「5月21日にあった主なできごと」

1575年 長篠の戦い…甲斐の武田勝頼と、織田信長・徳川家康軍との間で、三河の長篠城をめぐる戦いがありました。この「長篠の戦い」で武田軍は、信長・家康の連合軍に完膚なきまでにやられてしまい、多くの勇将を失いました。

1927年 大西洋無着陸横断飛行…アメリカの飛行家リンドバーグは、前日ニューヨークを飛び立ち、この日の夜パリに到着しました。所要時間33時間30分、世界初の大西洋無着陸単独飛行でした。リンドバーグは、1931年には北太平洋を横断して日本にも到達し、大歓迎を受けました。

1928年 野口英世死去…世界的な細菌学者として活躍した 野口英世 がアフリカで黄熱病の研究中に発病して亡くなりました。

投稿日:2010年05月21日(金) 09:03

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)