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奴隷解放の父・リンカーン

今日4月15日は、アメリカ合衆国16代大統領 リンカーン が、南北戦争の終わった5日後の1865年4月14日の夜、ワシントンの劇場で南部出身の俳優にピストルで撃たれ、翌15日の早朝56歳の生涯を閉じた日です。

エブラハム・リンカーンは1809年に、アメリカ合衆国東部のケンタッキー州で生まれました。家は貧しい農家だったため、幼い頃から農業の手伝いをさせられ、小学校へ通ったのはわずか6か月ほどだけでした。

9歳のときに母親が病死し、まもなく新しい母親がやってきました。継母ではあっても、リンカーンにとてもやさしく、学校に行けないリンカーンのために、自分の持ってきた本を読ませてくれました。リンカーンは夢中になって読みましたが、同じ本をくりかえすばかりです。やがて、人から手当たりしだい借りてきては読んでいました。

そんなある日、近所の親切なおじさんが『ワシントン伝』を貸してくれました。初代大統領となったワシントンは「アメリカ建国の父」といわれる立派な人物です。リンカーンはこんなに夢中になったことはありませんでした。ところが、夜、寝ているあいだに、外は嵐になり、丸太の家はいたるところで雨もりがしています。リンカーンははねおきて枕元の『ワシントン伝』をとりあげると、びっしょりぬれてぶくぶくふくらんでいました。リンカーンは泣きたくなりました。でもおじさんのところへとんでいくと、正直にあやまって、おわびに3日間、働かせてもらうことにしました。すると、3日目に、うれしいことが待っていました。リンカーンの行為に感心したおじさんが、その本をプレゼントしてくれたのです。自分の本を持ったのは、これがはじめてです。リンカーンは、このときのことを、生涯、忘れませんでした。

リンカーンはやがて、店員、行商人、船乗り、郵便局員などさまざまなことをしながら苦しい生活を続けましたが、かたわらにはいつも『ワシントン伝』がありました。その後どのようにしてリンカーンが大統領になったか、「どれい廃止令」を出したことがきっかけとなって、奴隷制を支持する南部が独立して「南北戦争」という内戦がおこり、5年間にわたる戦いの末に北部が勝利して「どれい解放」にいたったかなど、リンカーンの詳しい生涯につきましては、いずみ書房のホームページ・オンラインブックで公開している「せかい伝記図書館」第10巻 「リンカーン」 をぜひご覧ください。
 

「4月15日にあった主なできごと」

905年 古今和歌集完成…古今和歌集(古今集)は、日本で最初の勅撰(天皇の命令で和歌などを編集)和歌集で、醍醐天皇の命によって 紀貫之 ら4名によって編まれ、この日、約1100首、20巻が醍醐天皇に奏上されました。「枕草子」を著した 清少納言 は、古今集を暗唱することが平安中期の貴族にとって教養とみなされたと記しています。

1452年 レオナルド・ダビンチ誕生…ルネッサンス期に絵画・建築・彫刻そして自然科学にも通じていた万能の天才と讃えられる レオナルド・ダビンチ が生まれました。

投稿日:2010年04月15日(木) 06:58

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)