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近代教育の父・ペスタロッチ

今日1月12日は、スイスの片田舎で孤児や貧民の子らへの教育に従事するなど、子どもたちへの愛の教育を貫いたペスタロッチが、1746年に生まれた日です。

従来の初等教育は、教壇に立つ先生が、文字を教えたり聖書の言葉を覚えさせるといったものでした。ペスタロッチはそんな教育に背を向け、麦を栽培させたり織物を織ったり、手仕事や労働を行うことを通して、一人ひとりの子どもが、自発的・主体的に行動しながら、個性豊かに、人間らしい人間として育つことを願ったものでした。子どもたちが生まれつき持っている能力の芽を、愛の力で伸ばすことの大切さを、理論を口にするのでなく、みずから子どもの中に飛びこんでいって実践をくり返し、その実践をとおして教育の本質を解明していったところに偉大さがあります。

その教育理念は、フィヒテや フレーベル らが継承しました。近代的な教育の礎は、ほとんどペスタロッチによって築かれたといっても過言ではありません。ペスタロッチの教育論は、日本にも明治10年代に紹介され、やがて大正時代花開いた、新初等教育の展開を促進するうえで強い影響を及ぼしました。

ぺスタロッチの82年の人生には挫折が多く、今でこそ教育思想家、教育実践家として高く評価されていますが、生きている間は、報われなかった一人です。そんなペスタロッチの詳しい生涯につきましては、いずみ書房のホームページで公開しているオンラインブック「せかい伝記図書館」第7巻 「ペスタロッチ」 をぜひご覧ください。


 
「1月12日にあった主なできごと」

1628年 ペロー誕生…「長靴をはいたねこ」「眠り姫」「サンドリヨン(シンデレラ)」など、ヨーロッパに伝わっている民話を題材に11のお話を「ガチョウおばさんの物語」という本に著したフランスの詩人、童話作家のペローが生まれました。

1866年 河口慧海誕生…中国や日本に伝承された漢訳の仏典に疑問をおぼえ、仏教の原典を求めて単身ネパールや鎖国中のチベットに入った、仏教学者で探検家の 河口慧海 (えかい)が生まれました。

1914年 桜島が大噴火…鹿児島の桜島が大爆発をおこし、流失した30億トンという大量の溶岩で、これまで島だった桜島は対岸の大隈半島と陸続きになりました。

投稿日:2010年01月12日(火) 09:11

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)