今日12月24日の夜は、クリスマス・イブです。12月25日がイエス・キリストが誕生した日といわれ、その前日の夜なのでクリスマス・イブといわれるわけです。
クリスマス(Christmas)とは、Christ(キリスト)の mass (ミサ、祭り) です。そのため、本来は、紀元前7〜5年頃に、ユダヤの国ベツレヘム(イスラエルの首都エルサレムの約10km南)の馬小屋に生まれたイエス・キリストの誕生を祝う祭りでした。でも、キリストがいつ生まれたのか、正確にはわかっていません。12月25日とされるようになったのも、キリストが生まれてから350年以上もたったローマ時代のことです。
キリストの誕生は、いいかえるとキリスト教の誕生であり、その日を祝うクリスマスは、宗教的な深い意味を持つものです。でも、その祭りの風習には、当時のさまざまな民族が行なってきたしきたりが受けつがれています。現在の冬至は、12月21日か22日ですが、当時は24日か25日でした。秋の深まりとともに短くなった日が、この日を境に再び長くなりだし、弱まった太陽が新しく力をとりもどすのを盛大に祝うものでした。
こうして、クリスマスが冬至に行なわれるようになるとともに、天の太陽を祝う祭りは、この世のすべての人に光をもたらす、新しい太陽の祭りに変わったのでした。
教会の中だけで厳かに行なわれてきたクリスマスは、14,5世紀になると、クリスマス・ツリーとかサンタクロースといった楽しい要素がだんだん加わってくるにつれて、それは単に教会や寺院の祭りではなく、世界じゅうのキリスト教徒の祭りになり、やがてわが国にみられるように、キリスト教とは無縁の人たちまでもが楽しむ大切な行事になってきました。
その楽しみや喜びからすると、子どもたちの祭日といったほうがふさわしいのかも知れません。
なお、イエス・キリストの詳しい生涯につきましては、いずみ書房のホームページで公開しているオンラインブック「せかい伝記図書館」第2巻 「イエス・キリスト」 をご覧ください。
「12月24日にあった主なできごと」
1524年 バスコ・ダ・ガマ死去…ポルトガルの航海者で、アフリカ大陸南端にある喜望峰まわりのインド航路を発見し、ポルトガル海上帝国の基礎を築いた バスコ・ダ・ガマ が亡くなりました。
1814年 ガン条約…ナポレオンの大陸封鎖に対抗し、イギリスはアメリカの海上を封鎖して、フランスとアメリカの交易を妨害したことで、英米戦争が勃発していました。この日ベルギーのガンで、両国は講和条約に調印(ガン条約)、アメリカとカナダとの国境が確定しました。
1953年 奄美群島返還協定…1972年の沖縄返還協定に19年先立ち、奄美群島(奄美大島・喜界島・徳之島・沖永良部島・与論島)をアメリカから日本に返還する調印が行なわれました。