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戊辰戦争の終結

今日5月18日は、明治維新で江戸城無血開城後、旧幕府軍をひきいて箱館(函館)の五稜郭を拠点に、蝦夷(えぞ)共和国を樹立した榎本武揚(えのもと たけあき)らが、1869年のこの日に降伏、戊辰(ぼしん)戦争が終結した日です。

戊辰戦争とは、1868年から1869年にかけて、明治新政府と、旧徳川幕府勢力との間におきた内戦で、明治元年の干支(えと)が戊辰だったことからこう呼ばれています。

王政復古で成立した明治新政府は、1868年4月に江戸城無血開城。新政府が決定した徳川家への処分は、駿河、遠江70万石への減封というものでした。これでは約8万人の旧幕臣を養うことはとても困難と考えた徳川家の海軍副総裁・榎本武揚は、蝦夷地(北海道)に旧幕臣を移住させ、北方の防備と開拓にあたらせようと考えました。

そして、旧幕府艦隊8艦を率いて脱出、途中暴風により流された咸臨丸は新政府軍に発見され捕えられましたが、7艦は逃走し、箱館の五稜郭にたてこもって、蝦夷共和国を樹立しました。土方歳三(ひじかた さいぞう)ら新選組や奥羽越列藩同盟軍 [陸奥国(奥州)・出羽国(羽州)・越後国(越州)の諸藩による同盟] 、桑名藩主松平定敬(さだあき)らも加わり、選挙の実施によって、榎本は共和国の総裁となりました。

当時、新政府・旧幕どちらにも加担せず中立の姿勢を貫いていたアメリカは、やがて新政府支持を表明、幕府がアメリカから買いつけたものの所有が明確でなかった最新鋭の装甲軍艦を新政府に譲って、「甲鉄」と命名されました。

これに憂慮した榎本は、同艦を奇襲して奪取の作戦を実行に移します。至近距離まで第三国の国旗を掲げて接近し、自国の旗に切り替えて奪おうというものでしたが、これに失敗。これにより、最大最強を誇った徳川海軍の劣勢は決定的となって制海権を失ってしまいました。戦費の枯渇、自軍兵士の逃亡などもあり、1869年のこの日、榎本は五稜郭を明け渡し、降伏したのでした。

こうして旧江戸幕府勢力を一掃した明治新政府は、名実ともに誕生し、薩長、薩長協力藩(土佐藩、肥前藩など)出身者が明治政府の中心となって、日本は近代的な中央集権国家への道を歩んでいったのです。

なお榎本は、1872年の特赦で出獄、その能力を買われて新政府に登用され、逓信大臣、文部大臣、外務大臣、農商務大臣を歴任しました。


「5月18日にあった主なできごと」

1265年 ダンテ誕生…イタリアの都市国家フィレンツェ生まれの詩人、哲学者、政治家である ダンテ が誕生した日といわれています。代表作は彼岸の国の旅を描いた壮大な長編叙事詩『神曲』、および9歳の時にであった初恋の美少女ベアトリーチェをモデルにした詩文集『新生』。イタリア文学最大の詩人、ルネサンスの先駆者とされています。

投稿日:2009年05月18日(月) 19:46

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)