今日4月8日は、今から二千数百年も昔、仏教を開いたシャカ(釈迦・しゃか)が誕生した日と伝えられ、灌仏会(かんぶつえ)、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)などといわれます。また、花の咲きにおう春に行なわれたことから「花まつり」とよばれて、日本各地のお寺では、花で飾った小さなお堂の中に、釈迦の誕生仏を安置して、お参りにきた人は甘茶をそそいでお祈りをする、はなやかな仏教の行事になっています。
シャカは、紀元前556年ころ、ヒマラヤ山脈の南のふもとにあるカピラという都(現在のネパール・ルンビニー)に生まれました。父はシャカ族の王様で、母はマーヤーといいました。マーヤーはお産のために実家へ里帰りする途中、ルンビニーの花園で休んでいたときに、急にお腹が痛くなってシャカを生みました。すると、どこからともなく音楽が流れ、空から花びらが舞い落ち、甘露(あまいみつ)の雨が降ってきました。花まつりに、甘茶をかけるのは、こんないい伝えからきているようです。
またシャカは、うまれた途端、7歩歩いて右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」(天の上でも下でも、自分が一番尊い)と話したと伝えられています。もちろん、作り話ですが、お堂に置かれるシャカ像が右手は天に、左手は地を指しているのはそのためです。
シャカは、王子として裕福な生活を送り17歳で結婚、子どもも生まれましたが、あるとき城外に出たところ、病人や貧しい老人、死人を見てからは、この世のくるしみを考えはじめ、どうしたらそれらを救えるか考え悩み、やがて、29歳で出家しました。
シャカがどんなにか苦しい修業を積んで悟りを開き、自らの悟りを人々に説き、80歳で入滅(死去)するまでの詳しい生涯につきましては、いずみ書房「せかい伝記図書館」 (オンラインブック「シャカ」) をご覧ください。
「4月8日にあった主なできごと」
1350年 吉田兼好死去…清少納言の「枕草子」と並び、随筆文学の傑作「徒然草」(つれづれぐさ)を著した 吉田兼好 が、この日亡くなりました。
1820年 ミロのビーナス発見…ギリシアのミロス島で、ひとりの農夫が両腕の欠けた美しい大理石の女神を発見。島の名にちなんで「ミロのビーナス」と命名されました。古代ギリシア時代の一級彫刻作品として、パリのルーブル美術館が所蔵しています。
1973年 ピカソ死去…スペインが生んだ世界的な画家・版画家・彫刻家・陶芸家 ピカソ が、この日92歳で亡くなりました。