今日8月8日は、水墨画の大成者として知られる室町時代の画僧 雪舟(せっしゅう)が、1506年に亡くなった日です。
水墨画というのは、色をいっさい使わずに墨の濃淡で表現する手法でありながら、あっさりした中にも力強く風景をえがくことが可能です。雪舟が日本の風景をえがくまでは、ほとんど中国の風景でした。それを、日本人の心情にマッチした水墨画をえがいたところに、雪舟の真骨頂があります。
国宝になっている「山水長巻」(毛利博物館)と一般によばれているこの図巻は、雪舟の代表作として知られています。春から始まり冬で終わる四季の山水の変化を、長さ16mにも及ぶ長巻の上に、ドラマチックにえがかれているのがよくわかります。
雪舟の作品で、国宝に指定されている水墨画は、「山水長巻」を含め、「天橋立図」(京都国立博物館)、秋冬山水図、破墨山水図(ともに国立博物館)など6点あり、10数点が重要文化財となっています。
なお、雪舟の詳しい生涯につきましては、いずみ書房のホームページ・オンラインブック(「せかい伝記図書館」を公開中) の「雪舟」を、ぜひご覧ください。約100名の伝記の一人として紹介しています。