今日4月14日は、オランダの数学・物理・天文学者のホイヘンスが、1629年に生まれた日です。
オランダのハーグに生まれたクリスチャン・ホイヘンスは、資産家で政治家でもあった父から教育を受けた後、幼いころから好きだった数学をライデン大学で学びました。また、デカルトが父の友人でたびたび家に訪れていたことで、哲学にも興味をもっていたほか、1655年に大学を卒業したときは、法学も学び終えていたというほど、多彩な教養を身につけていました。さらに物理学を研究し、早くから曲線の求積などでその才能を発揮していました。
また、レンズを磨く新しい方法を考えて手作りで屈折望遠鏡を制作、1655年にはその望遠鏡を使って土星の第6衛星タイタンを発見。翌年には、土星の環を発見したほか、これまで誰もなしえなかったオリオン大星雲の観測スケッチを残しています。さらに、1657年には振り子時計を発明して特許をとり、まだ30歳にもならないうちに、ヨーロッパじゅうになりひびく名声をかちとることができました。
当時は航海術が進み、海上で正確な経度を測ることが求められていました。振り子の等時性は、ガリレオによって発見されていましたが、ホイヘンスは、振り子の長さを工夫することによって、従来の機械時計の誤差を1日10秒以内にすることを可能にし、世界ではじめて機械式時計の実用化に成功しました。それらの功績によって、1666年にフランスで科学アカデミーが創立されたとき、ルイ14世は最初の外国人会員にホイヘンスを迎えています。これは、当時の科学者にとって、大変名誉なことでした。
そのほか、世界で初めて火薬を使った往復型のエンジンを発明。1690年には、『光についての論述』という本を著わし、光の波動説を唱えました。波動が伝わるときは、ひとつの波面上のすべての点が新たな活動の中心となって新しい球面波を作り、それが重なって新しい波面を作るという「ホイヘンスの原理」を提唱し、その原理によって、光の反射、屈折、その他光の諸現象を解明したのでした。おなじころ、「光の粒子説」をとなえていた ニュートン と激しく論争をくりかえしたことはよく知られています。
「4月14日にあった主なできごと」
1759年 ヘンデル死去…『水上の音楽』『メサイア』などを作曲し、バッハと並びバロック音楽の完成者といわれる、ドイツ生まれでイギリスに帰化した作曲家 ヘンデル が亡くなりました。
1867年 高杉晋作死去…江戸時代の末期、長州藩に非正規軍「奇兵隊」を組織して幕府軍と戦った志士・高杉晋作 が亡くなりました。
1912年 タイタニック沈没…イギリスの豪華客船タイタニック号が、処女航海の途上、カナダ・ニューファンドランド沖で氷山に衝突して沈没、死者1500人以上の惨事となりました。
1917年 ザメンホフ死去…世界でおよそ100万人の人が使用している人工言語、エスペラントの創案者 ザメンホフ が亡くなりました。