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SFの父・ベルヌ

今日3月24日は、「80日間世界一周」「海底2万マイル」「十五少年漂流記」などを著し、ウェルズとともにSFの開祖として知られるフランスの作家ベルヌが、1905年に亡くなった日です。

ジュール・ベルヌは、フランス西海岸のナントに、5人兄弟の長男として1828年に生まれました。当時ナントは、交易が盛んな港町だったため、少年のころのベルヌは、船乗りたちの話に、冒険心と想像力をかきたてられました。

しかし、父は地元の弁護士だったため、法律の勉強をさせられ、勉強のために出たパリで アレクサンドル・デュマ に出会い、劇作家を志すようになりました。デュマがプロデュースした、ベルヌの処女作「折れた麦わら」は好評で、2週間も上演されました。

その一方でベルヌは、エドガー・アラン・ポーが、小説に科学的事実を取り入れることによって、物語に真実味を持たせるという技法に興味を持つようになっていました。そして、友人が制作した気球に触発され、1863年に書いた冒険小説「気球に乗って五週間」が大評判となり、流行作家となりました。そして、生涯にわたって科学・冒険小説の傑作を次々に生み出していったのです。1905年になくなるまでに書いた小説は、60編あまり。ベルヌの作品は、科学的な進歩を考慮したために、小説の中で発明された化学食糧、潜水艦、電送写真などは、当時の科学者たちを大いに刺激したようです。

なお、代表作「80日間世界一周」の内容は次の通り。(フィリアス・フォッグは、サロンで友人たちと話をしていた時、世界一周はどのくらいの日数でできるかという話になりました。彼は80日あればできるといい、それを証明しようと、召使いのパスパルトゥーを連れて出発します。しかしフォッグが大金を持っていることを怪しんだ刑事フィックスは、フォッグが銀行強盗と誤解し、二人を追いかけて共に旅をします。80日目、フォッグは見事にロンドンに戻ってきますが、フィックスはフォッグを逮捕。留置場に放りこんでしまいました。そして無実が晴れた翌朝、賭けに負けたと思ったフォッグは、地球を東にまわったために1日分得をしたことを知るのです…)

この 「80日間世界一周」 「地底探検」 (古代文書を解読したアクセルは、アイスランドの休火山から地底の国へ行くルートがあることを知り、科学者のおじさん、案内人ハンスとともに、地中深く入っていく冒険小説) の2作品の内容につきましては、いずみ書房ホームページ・オンラインブックで公開している「レディバード100点セット」の参考訳をぜひご覧ください。


「3月24日にあった主なできごと」

1185年 平氏の滅亡…一の谷、屋島の戦いに敗れた平氏は、源義経 の率いる水軍を、壇ノ浦(山口県・下関市)で迎えうちました。この日の正午近くに戦闘が始まり、平氏は西から東へ流れる潮流にのって有利に戦いを進めていました。ところが、3時過ぎになって潮流が逆になると形勢は逆転。敗戦を覚悟した平氏は、次々に海に身を投げていきました。この「壇ノ浦の戦い」で平氏は滅亡、以後 源頼朝 の支配が確立しました。

投稿日:2009年03月24日(火) 10:39

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)